ドル円、159円台に伸び悩む 160円台は従来ほど介入警戒は強くないとの指摘も=NY為替概況
ドル円、159円台に伸び悩む 160円台は従来ほど介入警戒は強くないとの指摘も=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は戻り売りに押され、159円台に伸び悩んだ。一時159.50円付近まで下落。先週のウォーシュ議長のジャクソンホール講演がタカ派的と受け止められたことで米利上げ期待が高まり、ドル円は一時160.20円まで上昇。ただ、160円台では介入警戒感からの利益確定や戻り売りも出て上値を抑えている。
一方、今回の160円台は従来ほど介入ラインとしての警戒感は強くないとの指摘も出ている。ドル円は介入による下落分をまだ半分程度しか戻しておらず、日本当局が直ちに再介入に踏み切る水準に達したとは言い切れない。市場の焦点も160円という絶対的な水準そのものよりも、米金利、とりわけ実質金利の動向や円安の進行速度に移りつつあるようだ。
米実質金利が高止まりする限り、金利差を狙ったキャリートレードの需要は続きやすく、ドル円には上昇圧力がかかりやすいとの指摘も聞かれる。日本当局による介入への警戒感は残るものの、米金利上昇を伴った円安であれば、介入警戒だけで上昇を止めるのは難しく、押し目ではドル買い・円売りが入りやすい状況が続きそうだ。
ドル円は7月末から8月初めにかけての日米協調介入による下げを着実に取り戻しており、介入で155.20円付近まで急落した後のリバウンド相場が継続。為替介入だけでは金利差を背景とした円売りの流れを変えるのは難しいとの見方が改めて意識されている。
ユーロドルは1.16ドル台に戻す展開。中東情勢が再び緊迫化する中、先週のウォーシュ議長の講演もあってユーロドルは200日線をブレイクしているものの、1.1570ドル付近の100日線は維持されている。一方、ユーロ円は下に往って来いの展開。184円台に下落していたものの、185円台半ばに戻している
欧州については、地政学的緊張やエネルギー価格が再び焦点になる可能性を指摘。欧州が冬を前に天然ガス在庫を積み増す重要な時期に入る中、供給制約が続けばユーロ相場への影響が強まるとの指摘も出ている。
ユーロドルは上昇分を失ったものの、オプション市場では依然としてユーロ高への偏りが残っている。ストラテジストからは、天然ガス供給が制約された状態が続けば、こうしたオプション市場の強気なポジショニングが試される可能性があるとの見方も出ている。
ポンドドルは1.35ドル台半ばで底堅く推移。一方、ポンド円は216円台前半でやや軟調。英固有の材料は乏しく、米金融政策を巡るドルの動きや、米・イラン情勢の緊迫化を背景とした原油高がポンド相場を左右している。
英中銀の追加利上げ期待が強まっているわけではなく、当面は政策金利を据え置くとの見方が中心。ただ、英国ではインフレ圧力が依然として強いことから、高金利が従来の想定よりも長期化するとの観測がポンドを下支えしている。
原油高はポンドにとって複雑な材料。英中銀が高金利を長期間維持するとの見方を強める可能性がある一方、原油高による家計や企業への負担増から景気悪化への懸念が強まれば、ポンドには逆風となるため、原油高が単純なポンド買い材料とは言い切れない状況ではある。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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