ドル円、159円台で上下動 ウォーシュ議長の講演前に様子見広がる=NY為替概況
ドル円、159円台で上下動 ウォーシュ議長の講演前に様子見広がる=NY為替概況
きょうのNY為替市場、様子見の雰囲気が広がり、ドル円は159円台での推移が続いた。海外時間に入って再びドル安が優勢となっていたが、ドル円の下値は底堅く159円台を維持。一方、160円には慎重な雰囲気が続く中、明日のジャクソンホールでのウォーシュ議長の講演を控え、積極的に方向感を探る動きは限られた。
欧州大手銀のストラテジストは、円相場は、最近の為替介入の効果が徐々に薄れる中、国内要因よりも米国の動向に左右される可能性が高まっていると指摘している。日米当局による協調介入を受け、ドル円は一時155円台前半まで急落したものの、その後は再び159円台まで戻している。実際、介入の効果は時間の経過とともに薄れ、日米金利差などファンダメンタルズが再び相場の主要な材料になりつつあるという。
同ストラテジストは、米景気が底堅く、FRBが今後数カ月以内に利上げへ動く可能性があることから、当面はドルがドル円を下支えすると見ている。一方、今後発表される米経済指標がFRBの政策金利据え置きを正当化する内容となれば、米金利の上昇圧力が和らぎ、ドル高・円安の勢いも弱まる可能性があるとも指摘。
足元では日銀の9月利上げ観測も高まっているものの、ドル円の方向性を左右する上では、FRBの政策見通しや米景気・インフレ指標など米国側の材料がより重要になるという。
ユーロドルは1.16ドル台半ばで上下動。伸び悩んではいるものの、200日線の上はしっかと維持されている。一方、ユーロ円も185円台での振幅が続いており、次のアクションを待っている。
原油価格が比較的落ち着いていることがユーロを支えているが、アナリストは「原油価格は一段の上昇予想に反して抑制された状態が続いている。今後数週間のエネルギー価格の動向は、G10中銀の会合が相次ぐ9月を迎える上で重要な背景になる」との見方を示した。
一方、欧州の天然ガス在庫の低さは懸念材料となっている。EUのガス貯蔵率は8月24日時点で約63%と、前年同期の約76%や過去平均の約81%を大きく下回っている。これに関して同アナリストは「天然ガス価格の上昇が続けば、欧州ではインフレ上振れと景気減速が同時に進むリスクが一段と高まる」と指摘。こうした状況はECBの金融政策運営を難しくし、今後数週間でユーロドル相場を押し下げる可能性があるとの見方を示した。
ポンドドルは1.35ドル台後半で上下動。次第に上値が重くなっているものの下押しする動きもなく、上昇トレンドは継続。一方、ポンド円も216円台で上下動しており、次のアクション待ちの状態となっている。
近年、英経済は1.0-1.5%程度の低成長と高インフレの同居が続き、潜在成長率の低迷が意識されてきた。しかし足元では、長年低迷していた生産性の伸びに回復の兆しが出ており、中期的な成長力を押し上げる要因として浮上している。エコノミストが指摘した。
一方、純移民の減少は労働供給の抑制要因となり、この傾向は2056年まで長期化する見通し。これらを総合すると、2026-27年の英潜在成長率は平均1.4%程度へ向上し、2040年ごろまではこのペースを維持できると見られる。だが、それ以降は急速な高齢化に伴う労働力不足が影を落とし、潜在成長率は1.0%程度にまで減速する公算が大きい。英経済は当面、生産性改善による成長力の底上げが見込めるものの、長期的には構造的な人口動態が経済の拡大を制約する構図が浮き彫りとなっている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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