【これからの見通し】きょうは株高も不透明感は拭えない状況、円買い圧力優勢に
【これからの見通し】きょうは株高も不透明感は拭えない状況、円買い圧力優勢に
東京市場は日経平均が大幅反発するになかで、為替市場では円買いが優勢になっている。ドル円、クロス円ともに下落している。ドル円は日本時間午後3時過ぎに、節目の151円台を下回る動きをみせている。ユーロ円は175円台半ばから前半をうかがう動き。ポンド円は201円台後半から半ばへと軟化している。
ドル円の下落をドル売りと円買いの面に分解してみよう。ドル売りの背景としては、パウエル米FRB議長による量的引き締め(QT)停止示唆に加え、市場における米利下げ観測の継続、米労働市場の悪化認識、および中国人民銀行による元高・ドル安方向の中心レート設定などの材料が指摘される。
円買いの背景としては、国内の政局不透明感による「高市トレード」の巻き戻し圧力や、米中対立への警戒感が挙げられるだろう。
また、ユーロ対ポンドではユーロの上値が重い。フランス政局に不透明感に加えて、スペインに関する材料も気になるところだ。スペインが防衛費増額に反対しており、トランプ米大統領がこれに不快感を示している。スペイン製品に関税を課すことを検討しているという。フランス債とともにスペイン債の動向にも注意したいところだ。
このあとの海外市場で発表される経済指標は、ユーロ圏鉱工業生産指数(8月)、インド貿易収支(9月)、南ア小売売上高(8月)、米MBA住宅ローン申請指数(10/04 - 10/10)、米ニューヨーク連銀製造業景気指数(10月)、ブラジル小売売上高(8月)、カナダ製造業売上高(8月)、カナダ卸売売上高(8月)などのが予定されている。また、本日発表予定だった米消費者物価指数(9月)については、10月24日に発表されることとなった。
発言イベント関連では、各国中銀高官らの予定が目白押し。ECBではデギンドスECB副総裁、レーン・フィンランド中銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、デギンドスECB副総裁など。英中銀ではラムスデン英中銀副総裁、ブリーデン英中銀副総裁、など。米FRBではミランFRB理事、ウォラーFRB理事、シュミッド・カンザスシティ連銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。
その他の材料としては、米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される。米財務省半期為替報告書の議会提出期限を迎える。G20財務相中央銀行総裁会議がワシントンにて16日まで開催される。米主要企業決算は、モルガンスタンレー、バンクオブアメリカ、ユナイテッド航空などが注目される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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