FX/為替「ドル/円今日の予想」 外為どっとコム トゥデイ 2025年11月27日号

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年11月27日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
目次
▼26日(水)の為替相場
(1):豪月次CPI 伸び加速
(2):日銀観測報道
(3):英予算案公表
(4):米新規失業保険申請件数は7カ月ぶり低水準
(5):ベージュブック公表
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:円買いの動きは長続きしない/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
26日(水)の為替相場

期間:26日(水)午前7時10分~27日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪月次CPI 伸び加速
豪10月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.8%と市場予想を上回り前月(ともに+3.6%)から伸びが加速。コアCPIにあたるCPIトリム平均は+3.3%と予想(+3.0%)に反し前月(+3.2%)から伸びが加速した。この結果を受けて、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)は豪中銀(RBA)が来年後半に利上げに転じる可能性を織り込み始めた。
(2):日銀観測報道
一部通信社が、急激な円安をめぐる懸念が再燃し、日銀に低金利を求める政治的圧力が弱まる中、「日銀は12月利上げの可能性に市場を対応させるため、市場への情報発信を調整している」と報じた。
(3):英予算案公表
リーブス英財務相は財政余力を拡大するために、所得税基準額の凍結延長や高額不動産課税などを含む増税策を打ち出した。英予算責任局(OBR)はこの予算案の下で、主要な財政規則に対する余裕は220億ポンドになり、3月に発表された99億ポンドから拡大すると予測した。財政への懸念が後退したことで、ポンドは全般的に買われた。なお、OBRは財政予測や経済予測の報告書を誤ってリーブス財務相の予算発表前にウェブサイト上で公表し、後に「技術的なミス」として謝罪した。
(4):米新規失業保険申請件数は7カ月ぶり低水準
米新規失業保険申請件数は21.6万件と市場予想(22.5万件)に反して前週(22.2万件)から減少し、4月中旬以来約7カ月ぶりの低水準となった。一方、失業保険継続受給者数は196.0万人となり、予想(196.3万人)を下回ったものの、前週発表分(195.3万人)から増加した。同時に発表された米9月耐久財受注は前月比+0.5%と予想に一致。輸送機器などを除いた耐久財受注は前月比+0.6%と予想(+0.2%)を上回った。
(5):ベージュブック公表
米連邦準備制度理事会(FRB)は地区連銀経済活動報告(ベージュブック)を公表。「米経済活動はここ数週間、ほとんど変化が見られなかった」と指摘した。一方で、「全体的な個人消費は高所得層を除いてさらに減少した」との記述もあり、「K字型」消費パターンが深刻化していることを示した。
26日(水)の株・債券・商品市場

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

【情報提供:外為どっとコム】
- ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(無料)では「取引分析」 を選択することで、チャート上に注文情報の表示が可能です。
- ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。
人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:円買いの動きは長続きしない
昨日のドル/円は終値ベースで約0.2%上昇。日銀の12月利上げをめぐる観測報道を受けて155.66円前後まで下落する場面もあったが、日本政府が補正予算案で11兆円以上の国債を追加発行する方針と伝ったこともあって、円買いの動きは続かなかった。NY市場では米新規失業保険申請件数が予想外に減少したことからドルが上昇。156.74円前後まで反発し156.45前後でクローズした。本日は野口日銀審議委員の講演が予定されており、午後には記者会見も行われる。野口委員は日銀内に残る「最後のリフレ派」と目されているだけに、仮に早期利上げに前向きな姿勢を示せば円買い材料視されることも考えられる。ただ、日銀の小幅な利上げでは円安基調は変わらないとの見方がある中で、円買いの動きは昨日と同様に長続きしないだろう。なお、本日は米国が感謝祭の祝日(サンクスギビング・デー)で、NY市場の参加者の多くが週末にかけて本日から4連休に入る。このため、仮に高市政権の拡張的な財政政策を睨んで円売りに傾いても、やはり長続きしない公算が大きい。ドル/円は本日も155円台では下値が堅い一方、156円台では後半に向かうにつれ上値が重くなりそうだ。
注目の経済指標:
特になし
注目のイベント:FRB高官発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
マネーを育てよう!をテーマに、外為どっとコム総合研究所に所属する研究員が執筆するオリジナルレポートのほか豪華講師陣の貴重なFXレポート、個人投資家や著名投資家のインタビュー記事など、バラエティ豊かな情報を配信しています。為替トレンドに合わせた特集記事やFX初心者でも安心の学習コンテンツを用意しており、個人投資家の取引技能の向上に寄与すべく活動しています。





