FX/為替「ドル/円今日の予想」 外為どっとコム トゥデイ 2025年11月21日号

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年11月21日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼20日(木)の為替相場
(1):官房長官 円安をけん制
(2):米雇用統計はまちまちの結果
(3):追加利下げに慎重なFRB高官
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:底堅い値動きが続きそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
20日(木)の為替相場

期間:20日(木)午前7時10分~21日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):官房長官 円安をけん制
木原官房長官は定例会見で「為替市場では一方向なまた、急激な動きもみられ、憂慮している」と円安をけん制。その上で、「投機的な動向も含めて為替市場における過度な変動や無秩序な動きについては高い緊張感を持って見極めている」と述べた。
(2):米雇用統計はまちまちの結果
米政府機関閉鎖の影響で1カ月半遅れの発表となった9月雇用統計は非農業部門雇用者数が11.9万人増と市場予想(5.3万人増)を上回った一方、失業率は4.4%と市場予想および前回(4.3%)を上回って悪化した。労働参加率が62.4%に上昇しており(前回62.3%)、職探しを再開する人が増えたことが失業率上昇の一因となった。そのほか、平均時給は前年比+3.8%と市場予想(+3.7%)を上回る伸びだった。同時刻に発表された米新規失業保険申請件数は22.0万件と市場予想(22.7万件)を下回った。なお、政府機関閉鎖によって未発表だった9月下旬以降の申請件数が同時に発表された。その結果、直近4週間の平均申請件数は22.4万件と前週(22.7万件)から減少した。
(3):追加利下げに慎重なFRB高官
米シカゴ連銀のグールズビー総裁は「金利は最終的にかなり低下すると感じている」としながらも「短期的に利下げを過度に前倒し、現状は一時的でインフレは再び低下すると期待することには幾分不安がある」との見解を示した。これより前にはハマック米クリーブランド連銀総裁も「労働市場を支えるために利下げを行えば、高止まりしているインフレの時期を長引かせるリスクがあり、金融市場でのリスクテークを助長する恐れもある」として拙速な利下げに慎重な姿勢を示した。
20日(木)の株・債券・商品市場

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:底堅い値動きが続きそう
昨日のドル/円は終値ベースで0.2%上昇。高市政権の経済政策が日本の財政悪化につながるとの懸念が根強く、一時1月15日以来となる157.89円前後へと上昇した。なお、米政府機関閉鎖の影響から発表が遅れていた米9月雇用統計は、非農業部門雇用者数は市場予想を大幅に上回った一方、失業率は前月から悪化し、強弱まちまちの結果となった。ドル/円は発表直後こそ上下に大きく動いたものの影響は限定的だった。 日本の財政拡大懸念による円安地合いは続いており、本日もドル/円は底堅い値動きが続きそうだ。本日は日本の10月全国消費者物価指数(CPI)が発表される。オーバーナイト・インデックス・スワップで見ると12月の日銀金融政策決定会合での追加利上げは20%程度しか織り込まれておらず、翌26年1月会合での追加利上げを80%弱織り込んでいる。10月全国CPIが予想から大きく外れない限りはドル/円への影響は限定的となりそうだ。ただ、今週に入りドル/円は3円超円安が進んでいる。日本の3連休を前にポジション調整の円買い戻しが持ち込まれる可能性には留意しておきたい。
注目の経済指標:米PMI

注目のイベント:ECB総裁発言
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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