FX/為替「ドル/円今日の予想」 外為どっとコム トゥデイ 2025年11月20日号

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年11月20日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
目次
▼19日(水)の為替相場
(1):英CPIは伸びが鈍化
(2):3者会談 為替に言及せず
(3):ユーロ圏HICPは速報値通り
(4):米貿易赤字減少
(5):米10月雇用統計発表キャンセル
(6):FOMC議事録公表
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:海外時間に一段高の可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
19日(水)の為替相場

期間:19日(水)午前7時10分~20日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):英CPIは伸びが鈍化
英10月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%と市場予想に一致。前年比は+3.6%と市場予想(+3.5%)を上回ったものの、前月(+3.8%)から伸びが鈍化した。エネルギーや食品などを除いたコアCPIは予想通り前年比+3.4%と前月(+3.5%)から鈍化。英中銀(BOE)が重視するサービスCPIは前年比+4.5%(予想+4.6%、前月+4.7%)だった。
(2):3者会談 為替に言及せず
植田日銀総裁と片山財務相、城内成長戦略担当は3者会談を開催。片山大臣は会談後に金融政策について「日銀から今まで通りの方針の説明があった」と明かし、「為替について具体的な話はなかった」と述べた。円安けん制への警戒感が後退したことで円売り圧力が強まった。
(3):ユーロ圏HICPは速報値通り
ユーロ圏10月消費者物価指数(HICP)・改定値は前年比+2.1%、同コアHICPは+2.4%とともに速報値と同率の伸びだった。
(4):米貿易赤字減少
米国国勢調査局は米政府機関閉鎖の影響から発表が遅れていた米8月貿易収支を公表。赤字額は市場予想(604億ドル)を下回る596億ドルとなり、前月(783億ドル)から減少した。米国の関税措置が発効された影響により輸入は前月から5.1%減少した。
(5):米10月雇用統計発表キャンセル
米労働統計局(BLS)は11月7日に発表予定だった米10月雇用統計を発表しないことを公表した。政府機関閉鎖の影響から失業率の算出などに用いる家計調査のデータが収集できなかったためであり、10月分の事業所調査のデータは11月分と一緒に12月16日に発表される予定となった。
(6):FOMC議事録公表
米連邦準備制度理事会(FRB)は10月28-29日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を公表。12月の追加利下げについて「多くの参加者は、それぞれの経済見通しを踏まえると、年内は金利を据え置くことが適切となる可能性が高いと示唆した」として早期の追加利下げに慎重な姿勢を示した。一方で「複数の参加者は、今後の経済動向がほぼ予想通りに推移すれば、さらに金利を引き下げることが適切となる可能性がある」としており、FRB内で主張が割れていることがあらためて明らかになった。
19日(水)の株・債券・商品市場

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:海外時間に一段高の可能性
昨日のドル/円は10カ月ぶりに157.18円前後へと急伸。終値ベースで1.0%超の大幅高となった。片山財務相が、植田日銀総裁と城内経済安保相との3者会談後に「為替について具体的な話はなかった」と述べたことで円売りが活発化。政府・日銀が円安を容認したとの見方から円買い介入への警戒感が後退した。一方、米国では10月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で、多くのメンバーが年内は金利据え置きが適切との見解を示していたことが明らかになりドル買いに傾斜。FOMC議事録を受けてFedWatchが示す12月の25bp(0.25%ポイント)利下げの確率は50.1%から31.4%に低下した。なお、本日は米9月雇用統計が発表される。米政府機関閉鎖の影響で1カ月半遅れとなることから新鮮味はないが、米国の労働情勢を示す数少ないデータだけに、市場としては材料視しないわけにはいかないだろう。市場予想(非農業部門雇用者数5.2万人増、失業率4.3%)ほど弱い結果でなければ、利下げ観測は一段と後退しそうだ。ドル/円は年足の陽転が間近(今年始値は157.20円前後)となり、年初来高値の158.87円前後も射程圏内に入った。本日も、東京時間こそ円安けん制への警戒感などから伸び悩むことも考えられるが、海外時間には一段高となる可能性があろう。
注目の経済指標:米9月雇用統計

注目のイベント:FRB高官発言
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株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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