ドル円は152円台 トランプ大統領の対中強硬姿勢の軟化で混乱落ち着く=NY為替概況
ドル円は152円台 トランプ大統領の対中強硬姿勢の軟化で混乱落ち着く=NY為替概況
きょうのNY為替市場、先週の混乱は落ち着き、ドル円は152円台に買い戻された。先週はトランプ大統領の対中強硬姿勢で市場が不安定になり、ドル円も一気に151円台まで急落していたが、本日は買い戻された。
トランプ大統領が休み中に、対中強硬姿勢をトーンダウンさせ、中国との新たな貿易摩擦緩和に向けた取引にオープンな姿勢を示したこともあり、市場の雰囲気は改善している。トランプ大統領は自身のSNSで「中国を傷つけるのではなく支援したい」と投稿していた。
ドル円は先週末に急速な調整を見せたものの、4月以降続く上昇トレンドは維持。金曜日の急落で過熱感は一服したものの、依然として強気基調は堅持しており、週足ベースでの投資家の強気モードも1月以来の高水準に達しているとの指摘も出ている。明日は本邦勢が連休から戻るが、公明党の離脱、そして首班指名で日本の政治も混沌とする中、153円台の直近高値を再び試しに行くか注目される。
ユーロドルは戻り売りに押され、1.1560ドル近辺まで一時下落。100日線に再び抑えられた格好となり、上値は重い。一方、本日は円安の動きはさほど見られず、ドル円は買戻しされたものの、ユーロ円は一時175円台に一時下落する展開。
フランスのマクロン大統領はルコルニュ氏を首相に再任したが、政府は今週後半にも不信任投票に直面する可能性があり、これがユーロの重荷になる可能性があるとの指摘が出ている。
アナリストは「マクロン大統領はルコルニュ首相に改訂予算案の提出を求めているが、それは恐らく否決され、週後半にも不信任投票となり、フランスは政府空白の状態に陥るだろう」と指摘している。
ポンドは比較的しっかりと推移し、ポンドドルは1.33ドル台での取引。一方、ポンドは対ユーロ、円では上昇し、ポンド円は203円台まで戻した。
今週は主要な英経済指標が発表になり、英中銀の利下げ観測とポンド相場の鍵になりそうだ。明日14日に8月の英雇用統計が発表されるほか、16日には8月の月次GDPが発表される。予想では両指標とも前回並みが見込まれている状況。
アナリストは、それらは英中銀の利下げ観測、ひいてはポンド相場に影響を与える可能性があると述べている。利下げ期待は依然として、慎重な利下げと様子見の間での微妙な均衡点にあり、成長関連の指標がより明確に減速を示さない限り、英中銀が積極利下げに傾く可能性は低いと分析している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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