円売りは一服、加藤財務相が米財務長官との会談の可能性に言及=ロンドン為替概況
円売りは一服、加藤財務相が米財務長官との会談の可能性に言及=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、円売りが一服している。東京朝方には注目の日米貿易協議で為替の議論がなかったとの赤沢再生相発言を受けて、円売りが強まった。ドル円は141円台後半から142円台後半へと上昇。ロンドン序盤にもその動きは継続、一時143.08近辺まで高値を伸ばした。しかし、その後は上昇一服となり142円台半ばへと沈んでいる。加藤財務相は「ベッセント財務長官との会談の可能性があるが、FXに関する議論内容についてはノーコメント」と述べている。市場には来週のIMF会合に合わせて日米財務相会談が行われるとの観測が広がっている。また、前日にパウエルFRB議長が利下げに慎重な姿勢を示したことに関連して、トランプ氏がパウエルFRB議長は常に遅過ぎ、間違える、パウエル氏解任は「いくら早くても遅過ぎるくらいだ」と怒りを露わにしている。円高やドル安のリスクがやや意識される面もあったようだ。クロス円も上値を伸ばしたあと、反落している。ユーロ円は162円台後半の高値から162円台割れ水準へ、ポンド円は189円台前半まで買われたあと、188円台半ばへと反落している。ユーロドルは1.1350割れとなったあと、1.13台後半で揉み合い。ポンドドルは1.32手前まで下落したあと1.32台前半で下げ渋り。このあとはECB理事会が金融政策を発表する。市場では25bp利下げを織り込んでいる。ラガルド総裁会見が注目される。
ドル円は142円台半ばでの取引。東京朝方の141.62近辺を安値に日米貿易協議で為替について議論されなかったとの赤沢再生相の発言を受けて円売りが強まった。142.80付近まで上伸した。その後も高止まりとなるなかで、ロンドン序盤には143.08近辺まで高値を伸ばした。その後は上昇一服となり、142.50台まで反落している。来週にも加藤財務相とベッセント米財務長官が会談を行うとの観測がみられた。トランプ氏は、昨日のパウエル発言を受けて「パウエルFRB議長は常に遅過ぎ、間違える」怒り心頭となっていた。
ユーロドルは1.13台後半での取引。東京朝方の1.1409近辺を高値にその後は売りに押されている。ロンドン朝方にかけては1.1344近辺まで安値を広げた。ロンドン時間に入ると1.1390付近まで買い戻される場面もあり、売買が交錯している。ユーロ円はドル円とともに上昇。東京朝方の161.52近辺を安値に買われ、ロンドン序盤には162.63近辺に高値を伸ばした。その後はECB理事会を控えた調整も入り、162円台割れへと反落している。対ポンドではユーロ売りが優勢。ECB理事会では25bp利下げが市場コンセンサスとなっており、ラガルド総裁会見に注目が集まっている。
ポンドドルは1.32台前半での取引。東京早朝の1.3254近辺を高値に、東京午前の1.3203近辺を安値に売買が交錯している。ポンド円はドル円とともに上昇。東京朝方の187.47近辺を安値に、ロンドン序盤には189.35近辺まで高値を伸ばした。その後は上昇一服となり188円台半ばへと反落している。ユーロポンドは軟調に推移。東京朝方の0.8617近辺を高値にロンドン序盤にかけて0.8583近辺まで軟化している。特段のポンド買い材料は見当たらず。ECB理事会を控えた調整の動きとみられる。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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