FX/為替「ドル/円、FRBの利下げ時期を巡り米経済指標に注目」 外為どっとコム トゥデイ 2025年6月26日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年6月26日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼25日(水)の為替相場
(1):タカ派の日銀審議委員 利上げは急がず
(2):豪CPI 伸び鈍化
(3):ボストン連銀総裁 金融政策に関する発言
(4):米新築住宅販売件数 7カ月ぶりの低水準
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米経済指標の結果次第/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
25日(水)の為替相場
期間:25日(水)午前6時10分~26日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):タカ派の日銀審議委員 利上げは急がず
田村日銀審議委員は福島県での講演で「物価上振れリスクが高まる場合、果断な対応もあり得る」「物価目標の実現時期、前倒しの可能性も十分にある」などと発言した。ただ、田村委員は午後の記者会見で「基調的な物価上昇率が2%に達したと言うにはもう少し情報を見たい」「日米関税交渉中の利上げ、あり得るが可能性はそれほど高くない」などと述べた。日銀内で最もタカ派の田村委員でさえ追加利上げを急いでいるわけではないと受け止められた。
(2):豪CPI 伸び鈍化
豪5月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.1%と市場予想(+2.3%)や前月(+2.4%)を下回った。コアCPIにあたるCPIトリム平均は前年比+2.4%と前月から(+2.8%)伸びが鈍化。2021年11月以来の低水準となった。
(3):ボストン連銀総裁 金融政策に関する発言
ボストン連銀のコリンズ総裁は「年内に漸進的な政策正常化を再開するのが適切だと引き続き見ているが、状況の展開次第では見通しが大きく変わる可能性もある」と発言。関税による『価格ショック』が実体経済に与える影響に大きく左右されるとの見解を示し、「能動的で辛抱強いアプローチが適切」との見解を示した。
(4):米新築住宅販売件数 7カ月ぶりの低水準
米5月新築住宅販売件数は年率換算で62.3万件となり7カ月ぶりの低水準となった。また、住宅在庫は2007年以来の水準まで増加した。
25日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:米経済指標の結果次第
昨日のドル/円は終値ベースで約0.3%上昇。東京時間には田村日銀審議委員の発言を受けて144.61円前後まで下落した。その後は米長期金利の上昇などを支えに146円手前まで反発する場面も見られたが、予想を下回る米住宅関連指標の結果などを受けて米長期金利が低下に転じると145円台前半まで押し戻された。
市場の注目は米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げの時期に移っている。昨日の米5月住宅販売件数は7カ月ぶりの低水準で、住宅在庫は2007年以来の水準まで増加していた。高止まりする金利が主な要因だ。
本日は米1-3月期国内総生産(GDP)・確報値が発表される。米経済の7割を占める個人消費が改定値から修正されているかに注目したい。また、その他にも米5月耐久財受注や新規失業保険申請件数なども発表される。これらの結果次第ではFRBの7月利下げへの期待が高まり、ドル売りの要因となりそうだ。
注目の経済指標:米新規失業保険申請件数
注目のイベント:FRB高官ら講演
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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