円キャリー取引の巻き返しはまだ続く=NY為替
円相場は8月初めに巨額の円キャリー取引の巻き返しに伴うボラティリティの急上昇があった後、投資家には当然ながら「これで終わりなのか?」との疑問が浮上している。その疑問に対してストラテジストは「答えは恐らくNo!だ」と述べている。
確かに市場のポジショニングを明確に推定することは困難だが、キャリート取引の規模の一般的な代理指標であるスポットレートとIMMポジションの関連性からは、まだ円ショートは解消が進む余地を十分に残しているという。
この日の米雇用統計は米労働市場の更なる軟化の兆しを示していた。ただ、8月初めの米雇用統計時のような混乱はなく落ち着いた反応が見られてはいるものの、米雇用統計を通過して米株式市場は調整色を強めており、原油相場も売りが強まっている。
ハードランディングのシナリオまでは描いていないものの、この先の景気減速を懸念したポジション調整が円の買い戻しを誘っているようだ。
本日のドル円は一時141.80円付近まで下落し、8月初めの混乱時の安値141.70円を視野に入れている。
USD/JPY 142.60 EUR/JPY 157.97
GBP/JPY 187.08 AUD/JPY 95.05
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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