リスク回避のドル買い ドル円は150円をうかがう動きも上値に慎重=NY為替概況
リスク回避のドル買い ドル円は150円をうかがう動きも上値に慎重=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となった。中東情勢が再び緊迫化しており、リスク回避のドル買いの反応が見られている。そのような中でもドル円は149円台後半での膠着した値動きが続いた。150円をうかがう動きも見せているが、依然として慎重なようだ。
東京時間に日銀絡みのニュースで一時的に売りが強まる場面も出ていたものの、直ぐに元の水準に戻すなど下値は底堅い。一方、150円台を積極的に試そうという雰囲気もなく、上にも下にも行けない膠着した展開が継続している。
明日はパウエルFRB議長が講演する。このところのデータはインフレの粘着性が示されているにもかかわらず、直近のFRB幹部からの発言に変化はなく、慎重姿勢を意識した内容となっている。
景気後退への不安感、原油高騰、米国債利回りの急上昇など懸念事項が多く、足元のインフレはまだ根強いものの、これ以上の利上げには消極的になっているようだ。議長の発言も同様の雰囲気になるのではとの観測が広がっているようだ。
ユーロドルは再び売りが強まり、1.05ドル台前半まで下落。再び21日線を下放れる展開となっており、下降トレンドを継続している。来週はECB理事会が予定されているが、前回の理事会以降のECB理事からのメッセージは明確で、来週は何も変化はないとの見方が多い。現段階で重要なアップデートは必要ないという。
前回以降のメッセージは、政策金利はピークに達した可能性が高いが、時宜を得た方法でインフレを2%目標に戻すために、必要な限り制限的な高金利を維持する用意があるというもの。そのため今回は意味のある決定や新たなガイダンスが出てくるとは考えにくいとしている。来週の理事会は新たな見通しを発表する12月理事会への橋渡しと位置づけたほうが良いという。
ポンドドルは一時1.21ドル台半ばまで下落し、再び21日線を下放れる動きが見られている。直近安値が1.2125ドル付近に来ており、その水準をブレイクして、7月中旬以降からの下向きトレンドを加速させるか注目される。
本日は9月の英消費者物価指数(CPI)が発表になっていたが、前年比6.7%の上昇と全体的に予想を上回る内容となった。少なくともインフレ鈍化を確信できる内容ではない。
しかし、一部からは英中銀は次回の金融政策委員会(MPC)で利上げを見送るとの見方は根強い。英CPIは6.7%で推移しているものの、利上げサイクルを再開するほどの材料ではないという。サービス価格は依然としてピークを下回り、英中銀の予測を下回っている。それは英中銀に利上げを躊躇させる可能性があるという。
*英消費者物価指数(9月)15:00
結果 0.5%
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
結果 6.7%
予想 6.6% 前回 6.7%(前年比)
結果 6.1%
予想 6.1% 前回 6.2%(コア・前年比)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。