ドル円は130円台半ば 重要イベント前にドル買い戻し=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドルの買い戻しが優勢となり、ドル円も130円台半ばまで上昇した。きょうは東京時間に一時129円台前半まで下落していた。ただ、全体的には様子見の雰囲気が続いている。為替市場はこのところのレンジ内での値動きに終始している状況だが、今週のFOMCやECB理事会、英中銀政策委員会、そして、米雇用統計など重要イベントが目白押しの中、結果を受けた市場の反応を待ちたい姿勢のようだ。
FRBは今週のFOMCで利上げを通常の0.25%ポイントへの減速に踏み切ると見られている。市場では、直近の弱い米経済指標を受けて、年内にFRBは利下げに踏み切るとの観測が根強い。情勢次第では計1.00%の利下げの有り得るとの見方も出ている状況で、市場にはハト派な雰囲気が広がっているが、FRBは今回のFOMCで、これまでの引き締め姿勢を後退させることはないというのが有力な見方となっている。パウエルFRB議長は会見で、改めて2%目標に向かって物価抑制の強い意志を強調すると見られているようだ。
ただ、それ自体も市場は織り込んでいる。そのような中で為替市場がFOMCの結果に対して、どう反応するか注目しているようだ。
ユーロドルは1.09ドル台に上昇していたものの、その水準は維持できずに1.08ドル台半ばまで伸び悩む展開。先週と変わらず、1.10ドル台には慎重なようだ。
きょうは第4四半期のドイツGDP速報値が発表され、前期比マイナス0.2%と予想外のマイナス成長となった。エネルギー危機を背景にドイツ経済が結局、リセッション(景気後退)に陥る可能性を高めた格好。第1四半期もマイナス成長であれば、定義上のリセッションとなる。
ただ、市場はECBのタカ派姿勢に変化を与えるとは見ておらず、今週の理事会で0.50%、そして、3月も0.50%の利上げの可能性を示唆してくるものと見られている。
ポンドドルは1.23ドル台半ばに下落。英中銀金融政策委員会(MPC)を始めとした重要イベントを控える中で、ポンド相場も様子見が広がっている。
市場からは、英中銀は今週に厳しい判断に直面するとの声が出ている。英中銀は、過剰な引き締めによる潜在的な英景気へのダメージへの懸念と非常に高水準のインフレ抑制のための利上げの必要性とのバランスを取ることが迫られるという。
労働市場が依然としてタイトなこと及び、コアインフレが予想を上回って推移しており、市場では0.50%ポイントの利上げが必要と見られているが、英中銀は明らかにやり過ぎのリスクを懸念しているという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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