【これからの見通し】日銀のレートチェック報道が市場の安心感となるのか、ドル円相場神経質に
【これからの見通し】日銀のレートチェック報道が市場の安心感となるのか、ドル円相場神経質に
きょうは日銀のレートチェック報道が市場を駆け巡った。前日の米消費者物価指数が予想を上回る伸びとなったことが、市場のインフレ鈍化観測を吹き飛ばした。(水準自体は前年比+8.3%と前回の+8.5%から低下したので伸び鈍化だったのだが予想よりは高い数字だった)市場では発表直前までドル売り圧力を示していたことで、発表後はサプライズのドル買いが殺到した。ドル円は141円台後半から一気に144円台乗せとなった。今日の東京市場では一段と買われて、144.96レベルまで高値を伸ばした。そのタイミングで政府からは円安けん制発言が発せられ、さらに日経新聞が日銀のレートチェックについて報じた。ドル円は143.53レベルまで押し戻されている。ただ、前日米物価統計前の141円台からは依然として円安・ドル高水準で推移している。レートチェック報道に対する海外勢の反応はどうか。
神経質な値動きを見せるドル円をは違って、ユーロドル、ポンドドル、豪ドル/ドルなどその他主要通貨では前日からのドル高水準を維持、もしくは軽い調整の動きが入るにとどまっているユーロドルは1.0000のパリティ付近では上値を抑えられている。ポンドドルは1.15台に乗せると売りがかぶさっている。豪ドル/ドルは0.67台半ばが重い。全般的にはドル買い圧力が根強い状況といえよう。ドル指数は109台後半と、前日からの高値圏を維持している。
CMEフェドウォッチでは次回FOMC会合での1.00%利上げについて34%の織り込み度となっている。0.75%利上げは66%程度。今後の金融政策はデータ次第との各国中銀の姿勢もあって、特に物価指標に対する市場の反応が敏感になっているようだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ユーロ圏鉱工業生産指数(7月)、南アフリカ小売売上高(7月)、ブラジル小売売上高(7月)、米MBA住宅ローン申請指数(09/03 - 09/09)、米生産者物価指数(8月)、カナダ製造業売上高(7月)など。昨日の米消費者物価指数のあとで、きょうの米生産者物価指数は二番煎じの面もあるのだが、予想との比較に市場は神経質に反応しそうだ。前年比予想は+8.8%、前月比予想は-0.1%などとなっており、いずれも伸びの鈍化となることが見込まれている。
発言イベント関連では、ビルロワドガロー仏中銀総裁の講演、米週間石油在庫統計の発表などが予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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