ドル買い優勢、トランプ関税めぐる前向き動きを期待=ロンドン為替概況
ドル買い優勢、トランプ関税めぐる前向き動きを期待=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ドル買いが優勢。トランプ関税をめぐる前向きな動きが期待されているようだ。28日にトランプ米大統領が海外で製造された米国製自動車向け部品などの関税を緩和すること検討と報じられた。また、きょうは中国商務省が米国企業との正常な協力を支援する用意があるとしており、ボーイング機の受け入れ停止措置が緩和されることが示唆されたと市場は受け止めている。インド政府はワシントンでと両国の当局者が会談を行い、貿易交渉は前向きに進展しているとした。為替市場ではドルが買われており、米国売りの裏返しの動きがみられている。ドル円は142円付近から142.70台へと上昇。ユーロドルは1.14台前半から1.13台後半へ、ポンドドルは1.34台半ばから1.33台後半へと軟化している。欧州株や米株先物・時間外取引が堅調に推移し、ユーロ円やポンド円もロンドン序盤には162円台後半や191円台前半まで買われる場面があった。ただ、足元ではドル買いの面が強まっており、クロス円には売り戻しが入っている。このあとのベッセント米財務長官やルトニック商務長官の記者会見が注目されている。トランプ大統領の就任100日記念演説は日本時間明日午前が予定されている。
ドル円は142円台後半での取引。アジア朝方に142.00近辺から終日買いの流れが続いている。ロンドン朝方には142.50を挟んだ水準で売買が交錯したが、ロンドン時間に入りと再び買われて高値を142.76近辺に伸ばしている。トランプ関税をめぐって前向きな動きが期待されているもよう。
ユーロドルは1.13台後半での取引。アジア朝方の1.1422近辺を高値にアジア午後には1.1375付近まで下落した。ロンドン序盤にかけてはいったん1.14台を回復したが、その後再び売られて安値を1.1373近辺に広げている。ユーロ円は162円手前でサポートされたあと、ロンドン序盤には円売りが優勢となり高値を162.55近辺まで伸ばした。その後はユーロドルの下げとともに162円台前半と上昇一服。対ポンドでは前日終値を挟んだ揉み合いが続いている。チポローネECB理事は、 短期的な関税効果はディスインフレになるかもしれない、と指摘。ユーロ圏は安全資産の流れから恩恵を受けた、との分析もみられた。
ポンドドルは1.33台後半での取引。アジア朝方の1.3444近辺を高値に軟調に推移している。アジア午後には1.34台割れまで軟化。ロンドン序盤には1.3420台まで反発も、その後は売りが再燃。安値を1.3381近辺に更新している。ポンド円はアジア早朝の190.73近辺を安値に191円台乗せまでの水準で売買が交錯したが、ロンドン序盤には買いが強まり191.35近辺まで買われた。その後は売り戻しが強まり191円台割れへと再び軟化している。ユーロポンドは0.8487から0.8506までのレンジで売買が交錯、方向性に乏しい動きとなっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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