ドル円の下値模索は続く 瞬間的に141円台に下落=NY為替概況
ドル円の下値模索は続く 瞬間的に141円台に下落=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は下値模索が続き、瞬間的に141円台に下落する場面も見られた。ただ、142円付近にはオプション絡みの買いオーダーが観測されていたほか、過度に摘み上がっている円ロングの巻き戻しも観測され、きょうのところは142円台をかろうじて維持している。ただ、下値攻めの流れは継続している状況。
本日の市場は米株式市場が上昇し、米国債も買われ、利回りが低下するなど、全体的に落ち着いていた。しかし、為替市場ではドル安も円高も続いている。明日から日銀決定会合が開催され、木曜日に結果が公表される。ただ、今回は特に円相場を大きく動かす材料にはならないとの指摘も出ている。
円は安全資産からの需要で、金利差から推計される水準以上に上昇。そのような中、貿易動向がリスクプレミアムを低下させるかを監視することが重要との指摘が一部から出ている。もし、米国債のボラティリティが低下し続ければ、安全資産からの需要で積み上がった円ロングに、短期的に圧力がかかり、円安が見られる可能性もあるとの見方も出ていた。
ただし、きょうのところは、その動きは出ていない。
ユーロドルは1.14ドル台に上昇したものの、終盤に1.13ドル台に伸び悩む展開。このところのユーロドルはドル安が一服していたことで、利益確定売りも出ていたが、下押す動きまではなく、次の上値追いの波を待っている状況。1月からの上昇トレンドはしっかりと堅持しており、1.16ドルを試す態勢にはあるようだ。
エコノミストから、ECBは将来の供給ショックとインフレ急上昇に対し、より迅速に対応すべきだとの指摘が出ていた。商品の供給が突然減少して価格を押し上げるショックは、より発生しやすくなっているという。そのため、これらのショックが一時的であるとの期待から、ECBは対応を先送りすべきではないと主張している。実際、待ちの姿勢はパンデミック後の価格急騰時に機能しなかったとも付け加えている。
一方、信頼性が欠如している中期予測を基にした決定は避けるべきだとも述べている。「ECBがこれらのショックを一時的と軽視せず、断固とした措置を講じない限り、最近のインフレ局面は例外的なものに留まらないだろう」とも指摘した。
ドル安が優勢となっていたものの、ポンドはさらに売りが優勢となり、ポンドドルは戻り売りに押された。再び高値圏の1.34ドル台に上昇しているものの、1.34ドルに入るとロング勢の利益確定売りも入るようだ。
エコノミストから、英経済成長に暗雲が漂う中、英中銀は慎重な利下げ姿勢を維持できるとの指摘が出ている。景気減速の兆候を受けて、英中銀は来月の金融政策委員会(MPC)で利下げを決定すると見られているが、多くは0.25%ポイントの利下げを予想している状況。少数派からは0.50%ポイントの大幅利下げを選択する可能性も指摘されているが、その可能性は低いという。
このところの景況感調査は悪化しているものの、基礎的なハードデータは最近の混乱前まで、英経済が順調に推移していたことを示している。従って、英中銀はあくまで大幅な利下げの可能性を認めることだけで、火が点いたように慌てて対応しているような振る舞いは避けることができるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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