FX/為替「ドル/円、米国にリセッション入りの可能性 米GDPに注目集まる」 外為どっとコム トゥデイ 2025年4月30日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年4月30日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼29日(火)の為替相場
(1):米大統領 自動車業界への関税負担を軽減
(2):米消費者信頼感指数が大幅に悪化
(3):米商務長官「ウォール街は誤解」
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:141円台後半から142円台を中心とする値動き/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
29日(火)の為替相場
期間:29日(火)午前6時10分~30日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米大統領 自動車業界への関税負担を軽減
米ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)がトランプ米大統領が外国製自動車への関税を修正する見通しと報じた。その後、トランプ大統領は自動車業界に影響を及ぼしている関税負担を軽減させる大統領令に署名。輸入自動車はアルミニウム・鉄鋼関税の対象から除外されるなど、複数の関税が重複して課されることを防ぐ狙いがあるとのこと。
(2):米消費者信頼感指数が大幅に悪化
米4月消費者信頼感指数は86.0と市場予想(88.0)を下回り5カ月連続で低下し、2020年5月以来の低水準となった。短期的な見通しを示す「期待指数」は54.4と2011年10月以来の水準に落ち込んだほか、1年先のインフレ予想は2022年11月以来となる7.0%に上昇した。同時に発表された、米3月JOLTS求人件数は719.2万件と予想や前回(750.0万件、748.0万件)を下回り、2024年9月以来の低水準となった。
(3):米商務長官「ウォール街は誤解」
ラトニック米商務長官は米政権が名前の明かせない1カ国との貿易協定で合意しており相手国側の議会や首相の承認待ちであることを明かした。また、トランプ関税に対する市場の反応について「ウォール街は『大局的な視点』にかけ、トランプ大統領の関税政策を誤解している」との見解を示した。
29日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:141円台後半から142円台を中心とする値動き
昨日のドル/円は終値ベースでは約0.3%上昇。米3月JOLTS求人件数が昨年9月以来の低水準となったほか、米4月消費者信頼感指数は2020年5月以来の水準へ悪化したことで一時141.96円前後まで下落した。ただ、トランプ米大統領が米自動車業界の関税負担を軽減させる大統領令に署名したことなどから、関税をめぐる懸念が和らぎドルの下値を支えた。
本日は米1-3月期国内総生産(GDP)に注目だ。米国経済はトランプ関税の影響から4-6月期に失速すると多くの市場参加者が予想している。そうした中で本日発表される1-3月期GDP(年率前期比)がマイナス成長となった場合、米経済がリセッション入りする可能性が高まる。そうなれば米連邦準備制度理事会(FRB)に対する早期利下げ期待が高まり、ドルが売られることになりそうだ。ただし、トランプ関税に関して、一部の主要国との交渉が進んでいると伝わっていることはドルの支援材料となろう。ドル/円は米国経済の現在と先行きに大きく影響を及ぼすであろう関税問題の動向に注視しつつ、141円台後半から142円台を中心とする値動きになりそうだ。
注目の経済指標:米GDP
注目のイベント:米企業決算
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※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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