【これからの見通し】ドル円にエンジンかかる、6年ぶりの120円台乗せ
【これからの見通し】ドル円にエンジンかかる、6年ぶりの120円台乗せ
東京市場でドル円は、120円台に乗せている。いったんは売り戻しに押されたが、買い意欲は強く、2度目の大台乗せで一気に120円台半ばを目指す動きとなっている。
ウクライナ情勢の緊迫化がリスク警戒のドル買いにつながる面が指摘されるが、同時に円買い圧力も働きやすいことから今回のドル円上伸の説明としてはやや弱い材料だ。また、日本経済の貿易赤字体質への転換とともに、経常赤字にもなったことは構造的な円安材料となる。ただ、これは長期的に効いてくる材料であろう。円安進行で後付け的な説明となりやすい面があろう。
日米金利差拡大観測が最も強いドライブとなっているようだ。米FOMCが年内毎回の利上げを示唆したことに対して、日銀は2%を超えるインフレであっても輸入物価による面が強ければ、緩和策を継続する姿勢。黒田総裁からは任期内に引き締め転換を行う意思が全く見られない。昨日は、パウエルFRB議長が一段とタカ派色を強め、0.5%幅の利上げの可能性を示唆したこととは大きな違いだ。
まずは、ドル円相場が120円台で足固めができるのかどうかを確認したいところ。短期的な上値メドとしては2016年2月高値121.49レベルが指摘されよう。
この後の海外市場で発表される経済指標は、英公共部門ネット負債(2月)、ユーロ圏経常収支(1月)、カナダ鉱工業製品価格(2月)、カナダ原材料価格指数(2月)など。
金融当局者の講演イベント関連は目白押しだ。国際決済銀行(BIS)イノベーションサミットに各国中銀高官らが参加する。ビルロワドガロー仏中銀総裁、ラガルドECB総裁、ウィリアムズNY連銀総裁、カンリフ英中銀副総裁、ジョルダン・スイス中銀総裁、イングベス・スウェーデン中銀総裁などの参加が予定されている。その他にも、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁などの講演イベント参加が予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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