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為替相場まとめ11月29日から12月3日の週

為替 

 29日からの週は、不安定な相場展開だった。オミクロン株の出現で市場に不安心理が広がった。変異箇所が多いことで感染力が強いとされ、従来のワクチンの効果も不透明とされている。一方、重症には至りにくいとの報道も錯綜。ワクチン効果についての検証には2週間ほどかかるという。さらに、パウエルFRB議長が、債券購入縮小の終了時期を前倒しする、インフレについての一時的との文言を削除すること検討などとタカ派の発言を行った。株式市場には売り圧力が広がった。一時は天井知らずの上昇となった原油相場も反落の流れを示している。米早期利上げ観測は、オミクロン株出現で先延ばしされたあと、パウエル発言で再び復活と揺れている。ドル相場全体では11月相場のドル高の流れに調整が入ったあと、今週は方向性が見出しにくい状況が続いた。そして、週末の米鉱用統計では雇用増のペースが鈍化する一方で、失業率は予想以上に低下、労働参加率も上昇と反応しにくい内容だった。平均時給の伸びは前年比+4.8%と前回並みの水準だった。


(29日)
 東京市場は、オミクロン株をめぐり不安定な動き。ドル円は先週末に115.30台から113.05近辺まで下落。その後、週末に南アのワクチン諮問委員会委員長が英メディアのインタビューに答え、南アでのオミクロン感染者の症状はおおむね軽度から中程度、同国での入院患者は増えていないと発言したことで、週明けは過度な警戒感が後退している。113円台後半に上昇して週の取引をスタート、一時113.88レベルまで買い戻された。日経平均が売り先行も、前引けでは上昇に転じる場面がみられるなど、株安が一服したこともドル円の下支えとなった。しかし、午後には日経平均が再び下落、一時500円超安となり、アジア株の下げも目立った。ドル円は再び安値付近に押し戻された。ユーロドルは1.1270台まで一時下落、その後も戻りは鈍い。ユーロ円は128.60台まで買いが入ったあと、127.80割れまで下落。

 ロンドン市場では、円買いの動きが一服。欧州株や米株先物が反発しており、先週末のパニック的な下落の動きは落ち着いた。ただ、下落を取り戻す力強さはみられず、あくまでも自律反発の域をでず。為替市場では、ロンドン朝方までは円買いが優勢だったが、その後は円売りに方向転換している。ドル円は112.99レベルを安値に113.50付近へと反発。ユーロ円は127円台半ばから128円台前半へ、ポンド円は150円台後半から151円台後半へ、豪ドル円は80円台後半から81円台乗せへと上昇。米10年債利回りは1.51%台半ばまで低下したあとは、1.54%近辺へと上昇。WHOは、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」について、感染急拡大につながり、重大な結果をもたらす恐れがあると警告した。ただ、南アでの感染症例が比較的軽度にとどまっているとの報道や、ビオンテックが新たに調整されたワクチンの開発に着手との報道などもあり、市場はひとまず次の展開待ちとなっている。

 NY市場では、ドル円が上昇。オミクロン株への懸念が一服し、株高、原油高が見られる中でドル円も買い戻しが強まった。一時113.95近辺まで上昇、その後は113円台後半で売買が交錯。ユーロドルは1.12台へと下落。1.13台が重くなり1.1260付近まで再び軟化した。ポンドドルも戻り売りに押されて、一時1.32台に下落した。オミクロン株については現在のワクチンの有効性や、感染力、影響などのより詳細な報告を確認するまでは数週間待たなければならず、不透明感は根強い。ただ、米株は先週末の大幅安から反発しており、ダウ平均など主要3指数はそろって買い戻しが入った。南アの医師から感染の症状は軽いとの指摘が出ていたほか、モデルナが、感染が再拡大するようであれば、来年初めにもオミクロン株に対応したワクチンを提供できる可能性に言及したことも安心感をもたらした。なお、バイデン大統領はロックダウンは想定していないと述べていた。

(30日)
 東京市場では、ドル円が振幅。午前中は底堅く、113.90手前まで再び買われた。しかし、午後にかけては上値が重くなり、113.50レベルを下回ると113円台割れまで急反落。モデルナのCEOがオミクロン株について従来株よりもワクチンの効果が弱い可能性が高いとの見方を示した。対応ワクチンの大規模製造には数カ月かかる見込みとした。日経平均は高値から700円超の下落となり、リスク警戒の動きが広がった。ユーロ円は128円台半ばから128円台割れへ。ユーロドルはドル売りが入り、1.1310台まで上昇。米10年債利回りは午前中に1.52%台まで上昇したあと、1.45%まで低下。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。米10年債利回りは序盤に1.42%台まで一段と低下した。ドル円はロンドン序盤に113円台を割り込むと、112.60台まで一時下落。ユーロドルはロンドン早朝に1.13台に乗せた後、買い一色となり1.1370台まで上伸した。ポンドドルは1.33台前半から一時1.3360付近まで上昇した。ユーロ円は東京市場での下げを戻しており、128円台前半で売買が交錯。ポンド円は東京市場での下げを戻し切れず、150円台で神経質に振幅している。モデルナCEOがオミクロン株について、従来株に比べてワクチンの効果が弱い可能性があることに言及し、リスク警戒の動きが広がり、安全資産である米長期債を買い、株などを売る流れに。

 NY市場は、ドル買いが強まった。序盤はオミクロン株をめぐる不透明感でリスク回避の動きが先行。しかし、パウエルFRB議長の議会証言が伝わると雰囲気は一変。議長は「インフレに関する『一過性』の表現を止める時が来た。数カ月早い資産購入ペース縮小終了の検討は可能で、次回FOMCで協議する」と述べた。オミクロン株への警戒感で議長も慎重姿勢を堅持するかにも思われたが、意外にもタカ派にシフトしたとの印象が広がった。ドル円は一気に買い戻しが強まり、113.70近辺まで急上昇。1.13台後半まで上昇していたユーロドルは、一気に1.12台まで一時下落。しかし、取引後半には1.13台半ばまで再び上昇。ユーロ圏消費者物価指数が前年比+4.9%と高い伸びだったことが再認識されたもよう。ポンドドルは1.33台半ばまで買われたあと、パウエル証言を受けて1.32台を瞬間的に割り込んだ。取引終盤には1.33台に戻している。12月の英MPCでの利上げ観測とオミクロン株への懸念の綱引きに。 

(1日)
 東京市場は、ドル買いが優勢。ドル円は前日NY市場で112.50台から113.70近辺で大きく振幅した。その後は113.00-20レベルに落ち着いて東京市場を迎えている。日経平均がオミクロン株警戒で一時200円超の下落となるも、すぐに回復。米債利回りは上昇し、ドル円は113.60近辺へと上昇した。ユーロ円はドル円の買い戻しとともに前日NY午後の127.60台から上昇の流れが続き、128.60台へと上昇した。ユーロドルはユーロ円の上昇と米債利回り上昇に綱引きとなり、1.13台前半で神経質に振幅した。ただ、前日の大幅な上下動からは値動きは落ち着いている。

 ロンドン市場は、売買が交錯。前日のオミクロン株やパウエルFRB議長議会証言を受けた荒っぽい値動きのあとで、方向性に欠ける動き。ドル円は朝方に113.63レベルまで買われたあとは、113.30近辺まで反落。その後はレンジ揉み合いに。ユーロドルは1.1360レベルまで上昇後は、1.1303レベルまで反落。その後は1.13台前半で売買交錯。ポンドドルは朝方に1.3332レベルまで高値を伸ばしたあと、1.3276レベルまで反落も、その後は1.33台を回復。米10年債利回りが1.45%台から1.50%付近で上下動しており、ドル指数は前日終値を挟んでの上下動に。クロス円は上昇一服。ユーロ円は128円台前半、ポンド円は150円台後半まで押し戻される場面があった。ただ、欧州株や米株先物は前日の下げから反発、NY原油先物も69ドル台を回復するなどリスク警戒の動きは一服している。OECD経済見通しでは世界成長予想が小幅に引き下げられた。オミクロン株については一段のインフレや供給制約への影響が警戒されていた。

 NY市場では、ドル円が再び112円台に下落。取引後半には112.60台まで下押しされた。前日はパウエルFRB議長の議会証言はタカ派色を強めた印象で、112円台まで調整していたドル円は113円台に急速に買い戻された。しかし、きょうの値動きを見る限りでは、買い戻しの動きは維持できておらず、オミクロンをきっかけとした調整の流れが続いている印象だ。米疾病対策予防センター(CDC)が米国で初のオミクロン感染を確認したと伝わったことで米株が序盤の上げを失い、ドル円も上値が重くなった。師走相場に入り、今年のドル円の堅調な流れに調整が入りやすい時期との見方もあった。ユーロドルは1.1310近辺から1.1360近辺での上下動が続いた。前日の大幅な振幅のあともリバウンド相場が続いているようだ。ポンドドルは1.3350付近まで買われたあとは売りが強まった。取引終盤には1.3250台まで下落した。

(2日)
 東京市場では、ドル円が上昇。前日NY市場で112.60台まで下落したあと、東京朝方も112円台後半で取引を開始したが、その後は堅調に推移して113円台を回復した。アジア株が総じて買われており、リスク警戒の動きが後退。オミクロン株への警戒感は残っているものの、過度か警戒感に対する調整が入る格好となった。ユーロ円は127.50台から128.20台へと上昇。ユーロドルは振幅。対円でのユーロ買いなどを受けて昼前には1.1340近辺まで上昇。その後は、1.1310台へと反落。昨日財務相辞任に売りが出た後、2014年以来の介入実施で買いが入り、その後再び売りが出るなど荒っぽい動きを見せたトルコリラは対ドルで13.40台でトルコ勢待ち。

 ロンドン市場は、ややドル売りが優勢。序盤は東京市場からのドル買いの流れを受けてドル円は113.33レベルに高値を伸ばし、ユーロドルは1.1307レベルに安値を広げ、ポンドドルは1.3280近辺まで軟化した。その後は、ドル売りに転じて、ドル円は再び113円台割れ、ユーロドル1.1344レベル、ポンドドル1.3334レベルへと本日高値を更新した。米10年債利回りは1.45%台まで上昇したあと、一時1.42%台まで低下と上下動。株式市場は欧州株が軟調も、米株先物は時間外取引で前日の下げから反発している。NY原油先物は下げ一服。オミクロン株の感染状況がまだ不透明。ファイザーはオミクロンに対するワクチンの効果についてあと2週間程度で判明するとした。ワクチン効果が著しく低下するとは考えていない、と楽観視していた。ただ、感染拡大は広がりをみせており、この日はインドで2人のオミクロン株感染が報じられていた。ユーロ圏失業率は7.3%に低下、ユーロ圏生産者物価指数は前年比+21.9%の高い数字だった。ユーロ独自の買いはほとんど見られなかった。トルコリラは前日の介入の効果もあって安値更新の動きは封じられ、揉み合いに。

 NY市場は、あすの米雇用統計を前に様子見気分。ドル円は113円を挟んだ振幅。序盤には一時112円台に下落も、米株や米債利回りの上昇とともに113円台に戻した。積極的に上値追いとなる気配はなく、基本的には金曜日の米雇用統計待ちとなっていた。ユーロドルは1.13台での狭いレンジでの上下動。先月下旬からのリバウンド相場の流れは維持しているが、21日線(1.1370)までの回復には慎重なようだ。ユーロドルに関しては弱気な見方が根強く、買い戻しを強める材料もない。年末に向けたポジション調整で買い戻されているだけで、自律反発の域は出ていない。ポンドドルは軟調。ロンドン午前には1.32台後半から1.33台前半へと買われたが、NY時間に入ると売りに転換。取引終盤には再び1.33台割れとなった。オミクロン株やパウエル発言を受けた激しい値動きからは次第に落ち着いてきている。

(3日)
 東京市場は、小動き。米雇用統計の発表をこのあとのNY市場に控えており、動きにくい展開が続いた。ドル円は売りが先行して、一時112.96レベルまで下押しされたあとは、113.20近辺まで上昇。、米NY州で初めてオミクロン株の感染者が確認されたとの報道や、ロスアンゼルス群やハワイ州でも感染が確認されたと報じられると、ドル円は売り反応を示したが、下値も堅かった。ユーロドルは昨日の海外市場で1.1350手前から1.13台割れとなったあと、東京市場では1.13を挟んだ揉み合いに終始している。米雇用統計待ちのムードが広がった。

 ロンドン市場は、米雇用統計の発表を控えて方向性が定まらない動き。序盤は米債利回りの上昇とともにドル買いの動きが先行。しかし、欧州株や米株先物の上値が重くなるなかで、米債利回りが低下に転じると、ドル安方向に押し戻されている。ドル円は113.49レベルまで買われたあと、113.20付近まで小反落。ユーロドルは1.1282レベルまで下押しされたあとは、1.1316レベルまで反発。ユーロ円は128円台乗せと小高く推移。一方で、ポンド円は150.70近辺まで買われたあとは、一時150.10台まで下落した。ポンドドルも1.33近辺が重く、一時1.3255レベルまで下落。サンダース英中銀委員は「オミクロン変異株は12月会合での政策金利決定について考慮すべき重要なカギ」「オミクロン株に関するデータを待つことにある程度の利点あろう」と述べており、市場ではオミクロン株への不透明感が12月会合での利上げ決定を躊躇させる可能性があるとみたようだ。

 NY市場は上下動。朝方発表になった11月の米雇用統計の発表直後はドル円も売りが強まった。しかし、反応は一時的で、すぐに買い戻されている。ただ、今度は米株がIT・ハイテク株中心に売りが強まり、市場の雰囲気も次第に悪化。米国債利回りも下げに転じる中、ドル円は112円台に再び値を落とす展開となった。一時112.55近辺まで下げ幅を拡大する場面もみられ、11月30日に付けた直近安値に顔合わせした。この水準をブレイクするようであれば、下げ足を速めそうな気配もある。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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