【これからの見通し】週明けは欧州政治リスクが話題に、ユーロ下値模索か
【これからの見通し】週明けは欧州政治リスクが話題に、ユーロ下値模索か
週明けはドル買い優勢で取引されている。先週末の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが予想を大幅に上回ったこと、賃金の伸びが予想を上回ったことに市場は鋭くドル買いに反応した経緯がある。一方で、失業率の上昇、労働参加率の低下といった弱い内容は打ち消されていた。
加えて、欧州の政治リスクが台頭しており、ユーロ売り圧力も働いている。週末の欧州議会選挙で極右勢力が躍進、フランスとドイツの与党がいずれも敗北したことが先行きの不安材料となっている。マクロン仏大統領は国民議会を解散、選挙実施を表明している。これで与党勢力の巻き返しとなるのかどうか、政治的な賭けといえそうだ。
まずは、欧州時間の債券売りがどの程度進行するのかを確認したい。政治リスクとあって、利回り上昇がユーロ買いにつながるのかどうかは不透明だ。欧州株先物が売られており、いわゆる欧州売りの構図となるようだと、ユーロ相場にも一段と売り圧力が掛かることが想定される。
この後の海外市場で発表される経済指標は、欧州朝方もトルコ雇用統計(4月)、トルコ鉱工業生産指数(4月)、トルコ経常収支(4月)などが予定されるほか、米英欧などの主要経済指標発表予定はない。ファンダメンタルズ的な材料には欠けている。そのなかでは、米NY連銀調査1年インフレ期待(5月)をチェックしておきたい。
発言イベント関連では、欧州時間にナーゲル独連銀総裁の講演、ホルツマン・オーストリア中銀総裁が会議「中央銀行の未来と課題」で開会挨拶を行う。米金融当局者はブラックアウト期間(金融政策に関する発言自粛)に入っている。その他では、米3年債入札(580億ドル)が実施される予定。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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