ドル円は154円台を回復 民間の米経済指標が予想上回る=NY為替概況
ドル円は154円台を回復 民間の米経済指標が予想上回る=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は154円台を回復。この日の民間の米経済指標が予想を上回る内容となったことから、ドル高の反応が見られたほか、米国債利回りも上昇しドル円はサポートされた。
特にISM非製造業景気指数は8カ月ぶり高水準となり、仕入れ価格が3年ぶりの高水準となっていた。週初のISM製造業の指数では仕入れ価格が大幅に低下し、関税の影響が峠を越したのではとの観測も出ていたが、サービス業の方は引き続きインフレ圧力の強まりを示唆。一方、雇用が安定化しつつある兆候も出ている。
市場は先週のFOMC後のパウエル議長の会見以降、12月利下げへの期待を後退させているが、本日のISM指数はその見方を正当化する内容となっている。
前日は市場全体が不安定になり、ドル円も本日の東京時間には152円台まで下落していたが、その下げを完全に取り戻しており、155円を再び視野に入れている。
ユーロドルは1.14ドル台後半で振幅。一方、ドル円が買い戻されていることから、ユーロ円は買いが優勢となり、一時177円台まで戻す場面も見られた。ただ、いまのところは21日線の下での推移となっている。
本日のユーロドルは前日までの5日続落を一服させていたものの、世界的なリスクセンチメントの不安定さから、買い戻しは限定的かつ一時的に留まるとの指摘が出ている。株式市場の下落や米政府閉鎖を巡る懸念の再燃によって投資家のリスク回避姿勢が強まり、安全資産としてのドル買いがユーロドルの圧迫要因になったと指摘。
さらに、FRBの短期的な利下げ観測が抑制されている点もユーロドルを圧迫。一方、ECBはすでに利下げサイクルを終了している中、ユーロドルは1.14-1.16ドルのレンジ内での推移が続く可能性が高いと見ているという。
ポンドドルは下げを一服させ、1.30ドル台は維持した。一方、ポンド円はドル円と伴に反転し、一時201円台まで買い戻される場面も見られた。100日線は維持されている。
市場は明日の英中銀の金融政策委員会(MPC)を注目している。予想コンセンサスでは据え置きが有力視されており、短期金融市場でも75%程度の確率で据え置きが予想されている。しかし、一部からは利下げの可能性も指摘されている。ストラテジストは、委員の採決が5対4の僅差で利下げを決めると見ているという。前日のリーブス英財務相の予算発表前の演説から、11月24日の正式な予算案発表において、厳しい財政引き締め策が打ち出される見込みである点を指摘を理由に挙げている。これらの措置が景気を抑制し、利下げを支持する中間派メンバーを後押しする可能性があるという。
その場合はサプライズからポンド安の反応も見込まれるが、例え予想通りに据え置きだったとしても、僅差での決定であれば、市場は12月の利下げをさらに織り込む可能性はありそうだ。現在、短期金融市場では12月までの利下げの確率を65%程度で見ている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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