10月相場に入ってもドル買い継続 ドル円は150円をうかがう展開=NY為替概況
10月相場に入ってもドル買い継続 ドル円は150円をうかがう展開=NY為替概況
きょうから10月相場に入ったが、為替市場はドル買い優勢で始まっている。ドル円は150円台をうかがう展開が見られ、149円台後半での推移が続いた。介入警戒感もあり上値に慎重にはなっているものの、戻り売りを強める動きも見られていない。ロング勢もトライするタイミングを見計らっているようだ。
懸念されていた米政府機関閉鎖も議会が45日分のつなぎ予算を承認し、土壇場で回避された。主要格付け会社の中で唯一米国債の格付けをAaaに維持しているムーディーズが、米政府機関閉鎖となれば格付けに影響すると警告していたが、つなぎ予算を成立させたことでひとまず安心感には繋がっている模様。ただ、11月中旬には再び期限が訪れ、予断を許さない状況に変わりはない。
今週6日金曜日に米雇用統計の発表があるが、閉鎖が回避されたことで無事発表されそうだ。市場も目先はそれに向かってポジションをメイクして行くことになりそうだ。
市場ではFRBのタカ派的スタンスは長期化するとの警戒感が高まりドルを下支えしているが、今回の米雇用統計はそれを覆すほどの内容ではないとも見方も広がっているようだ。一方でドル高を招くものでもないだろうとの指摘も出ている。
ユーロドルは下値模索が続き、きょうも再び節目の1.05ドルを割り込み、なお下値が見えない状況が続いている。
アナリストからは、経済見通し悪化でユーロは更に脆弱になるとの見方が示されている。中国経済とユーロ圏の成長見通しが弱いため、ユーロは短期的にさらに下落する可能性があるという。金曜日に発表されたユーロ圏の最新インフレ指標では、総合、コアともインフレの鈍化傾向が示され、ECBが追加利上げに踏み切る可能性は低いとの見方をサポートしていた。
ポンドドルも再び下値模索が加速し、3月以来の安値水準での推移となっている。目先は心理的節目の1.20ドルを試しに行くか注目されるが、その水準をブレイクした場合は3月安値の1.18ドルが視野に入る。
市場は英中銀の利上げ期待を後退させているが、それでもあと1回の追加利上げを織り込む動きが出ている。本日はタカ派として知られるマン英中銀委員の発言が伝わっていたが、内需が底堅く、物価上昇圧力がより持続するという自身のメインストーリーは変えていない。そのうえで、より制限的な金融政策スタンスが必要との認識を示し、今後数カ月の間の追加利上げを支持する可能性を示唆していた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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