【これからの見通し】感染ペースの鈍化を期待も、予断許さない
【これからの見通し】感染ペースの鈍化を期待も、予断許さない
週明けは株高・円安の動きが広がっている。日経平均は756円高で取引を終了しており、上昇率は4%を超えている。米株先物が時間外取引で大幅上昇となっている。ダウ平均先物は足元で800ドル超高となり、上昇率は4%近辺となっている。米国NY州での新型ウイルス感染による死亡者数の増加ペースが前日から鈍化したことが、市場にピークアウトの期待を広げている。また、日本ではようやく政府が緊急事態宣言を行う見込みとなっており、日本時間午後6時10分から新型コロナウイルス対策本部を開催し、今日明日中には発表があるようだ。東京での感染拡大ペースが加速するなかで、政府の強い態度が期待されている。
ドル円は朝方の108円台前半から、株高の動きとともに109円台に乗せる動きとなっている。この動きとともにクロス円も総じて堅調。ユーロ円は一時118円台を回復、ポンド円は133円台後半へ、豪ドル円は65円台後半へと上伸している。
ただ、ポンドは朝方に売りが広がる場面があり、神経質な動きだ。ジョンソン英首相が10日間たっても熱が下がらないとして、自主隔離から検査入院することが報じられている。症状が重篤化しないのかどうか不安ななかで、ポンド相場はボラタイルな動きを示している。
この後の海外市場では、目立った経済指標発表の予定はない。金融当局者らの講演予定もなく、インタビューなどでの発言に市場が反応することが想定される。なお、本日は中国市場は、清明節のため休場となっている。欧州市場では、スペインやイタリアの感染拡大ペースに市場が一喜一憂しそうだ。
注意したいのが、新興国通貨の動き。ブラジルレアルや南アランド、トルコリラなどは対ドルで強い下落の流れが続いており、ドル買い需要が顕在化している。G7諸国の通貨安が一服した場合でも、新興国通貨の動きがリスク警戒要因として再び取り上げられる可能性もある。依然として相場状況は予断を許さないだろう。
MINKABU PRESS 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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