ドル円、米PPIはインフレの落ち着きを示すも160円をうかがう展開は継続=NY為替概況
ドル円、米PPIはインフレの落ち着きを示すも160円をうかがう展開は継続=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は序盤に159円台前半に下落したものの、直ぐに切り返し159円台半ばに戻している。この日発表の米生産者物価指数(PPI)は、前日の消費者物価指数(CPI)同様にインフレの落ち着きを示す内容となった。これを受けて為替市場はややドル安の反応が見られていた。しかし、前日のように158円台に下落する動きまでは見られず、160円をうかがう展開は継続。
先週の米雇用統計、今週のインフレ指標とFRBの利上げ期待を後退させる内容で、短期金融市場では9月利上げの確率が30%程度まで後退しているが、9月FOMCまでには8月分の雇用やインフレに関する追加のデータが発表される。今月下旬に開催のジャクソンホール会議でのウォーシュ議長の発言にも注目が集まっている。
本日は、高市政権が日銀の早期利上げを支持していると伝わっていた。政府が日米協調介入の効果を維持する観点から早期の利上げを支持しており、日銀は9月か10月の決定会合での利上げを視野に入れていると伝わっている。しかし、市場の反応は限定的。8月に入って短期金融市場でも10月までの利上げの可能性が高めており、驚きはない。むしろ市場は年内にさらにもう1回の利上げの有無に注目している。いまのところ半々の確率といったところ。
それでもドル円の上値期待は変わらないと見られている。日本が本格的な成長を取り戻せば別だが、それには時間がかかる。イラン情勢とエネルギー価格が本格的に落ち着き、FRBが利下げサイクルに復帰することが重要。ただし、9月は見送られそうな雰囲気も出ているが、年内になお1回の利上げを見込んでいる状況ではある。
ユーロドルは1.15ドル台での推移が継続。リバウンド相場になっているものの、100日線で上値を拒まれ、今週に入って軟調な展開が続いている。ただ、1.15ドル台は堅持しており、底堅さも見られる。一方、ユーロ円は200日線(183.95円付近)まで買い戻されているものの突破する動きまでは見せていない。介入警戒感が上値を抑えているようだ。
ユーロドルの強気派にとって、これまでの辛抱が報われる局面が近づいているとの見方が出ている。背景には、FRBの利上げ観測が想定よりも早く後退し、金利面からドルを買う材料が弱まりつつあることがあるという。
ただ、ユーロ高の理由はドル安だけではない。ユーロ圏では景気循環面、構造面の双方で最近の材料が改善しており、この流れは第4四半期にも続く可能性があると述べている。また、市場ではECBが9月に追加利上げするとの見方も強い。景気の底堅さとECBの金融引き締め姿勢という独自の買い材料が出てきたことで、ユーロドルの上昇シナリオが再び現実味を帯びている。年内に1.20ドルを試す余地があると見ているようだ。
ポンドドルは1.34ドル台後半で上下動。1.35ドル台に上昇するものの戻り待ちの売り圧力に上値を拒まれている。ポンド円も215円台に上昇するものの上値を追う動きまではない。
本日は第2四半期の英GDP速報値が発表になっていたが、前期比0.4%増と第1四半期からは減速したものの、上期の成長は年率換算で2%に達し、2四半期連続でG7のGDPランキング首位になるとの見方も出ている。ただ、底堅い内容ではあるものの、個人消費の伸びは鈍化しており、英中銀の利上げ観測はやや後退している。
市場では年内に1回の利上げ実施の可能性を完全に織り込んでいるが、今後の利上げ時期を占う上では、来週発表のインフレ指標や雇用統計の方が重要となりそうだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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