テイラー英中銀委員、利上げに慎重姿勢を示す
英中銀のテイラー委員の講演が伝わっており、エネルギー価格高騰に伴う利上げの必要性について、現時点では低いとの認識を示した。インフレが英経済全体へ波及している明確な証拠は確認されていないとし、「追加利上げを正当化する根拠は説得力に欠ける」と指摘した。
テイラー委員は、エネルギー集約型産業での著しいインフレ加速が見られない点や、食品インフレの低下、労働市場の低調さを挙げ、賃金と物価が相互に上昇するスパイラルの兆候はほとんどないと分析。経済構造は2022年当時のインフレ動向を繰り返しにくい状態にあるとの見解を示した。
企業によるコスト転嫁や賃上げ要求といった二次的影響のリスク自体は無視できないとしながらも、利上げに踏み切るにはショックそのものではなく二次的影響の実在を示すデータが必要だと強調した。
委員の姿勢は、エネルギー高を受け利上げ支持へ傾く他の英中銀委員と鮮明な対照をなす。ベイリー総裁や3人の副総裁は、エネルギー価格の高止まりが長期化すれば金利据え置きの維持が困難になると警告。市場では原油・天然ガス価格の再上昇を背景に、短期金融市場では来年夏までに計1.00%分の利上げが行われるとの観測が強まっており、住宅ローン金利上昇など金融環境の引き締めが進んでいる。
テイラー委員は一方、イラン紛争の収束によりエネルギーリスクが減退し、需要減退や基調的インフレの緩和が続けば、将来的な利下げ転換の可能性にも言及している。
執筆者 : MINKABU PRESS
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