【通貨別まとめと見通し】スイスフラン円:201円台半ばへ急伸後に199円台半ばへ急調整も、伝統的な「安全資産」需要と実質金利差を背景に201円台後半へV字回復
先週から今週(6月29日〜7月6日)のまとめ
他クロス円と同様に、スイスフラン円でもポジション調整による激しい乱高下が相場を支配する一週間となった。週明け29日(月)に199円台後半からスタートした相場は、30日(火)のNY時間にかけて急加速。深夜には一気に心理的節目である200円大台を突き抜け、一時201.55円まで上値を拡張する強烈なロケットスタートを見せた。
しかし、7月2日(木)の欧州時間(15:00台)に入ると、急ピッチな上昇に対する警戒感やロング勢の利益確定売りが殺到。一時199.56円まで急下押しを強いられ、せっかく築いた200円大台を瞬時に割り込む緊迫した調整局面を迎えた。
それでも、199円台半ばの押し目では、欧州の政情不安を背景とした「伝統的な安全資産(セーフヘイブン)」としてのフラン買い需要や、本邦当局による介入なき実質金利差を狙った実需の円売りが猛烈に流入。週末にかけて200円台後半まで水準を戻すと、週明け7月6日(月)には再び上値追いの勢いが爆発。欧州時間には一時201.59円まで達する驚異的なV字回復を演じた。本日7日(火)足元は201.10円付近まで利益確定売りに押されているものの、下値の堅牢性を改めて市場に印象付けるダイナミックな推移となっている。
詳細な値動きの振り返り
■ 200円大台突破と201.55円への急伸(6月29日〜7月1日)
週明け29日(月)の東京〜欧州時間こそ199円台後半の重い揉み合いが続いたが、30日(火)のNY時間(23:00台)に突如上放れ。わずか1時間で200.81円から201.45円まで急騰すると、日付が変わる取引の中で一時201.55円まで上値を拡張した。7月1日(水)に入っても強気バイアスは衰えず、東京〜欧州時間を通して201円台前半での高値圏推移を維持し、大台定着への足固めを着実に進めていた。
■ 突然の急落による199.56円への突っ込みと、確固たる買い支え(7月2日〜3日)
堅調と見られていた相場は2日(木)に暗転する。東京時間は200.80円付近で膠着していたが、欧州参入(15:00台)と同時にロング勢の投げが加速。ストップロスを巻き込みながら一時199.56円まで急転直下の下落を強いられた。翌3日(金)も欧州時間にかけて200.30円付近、さらには200.27円まで下値を試す緊迫した展開となったが、200円割れの世界は中長期実需ロング勢にとって「絶好の押し目買い好機」となり、週末クローズ(4日早朝)までに200.87円まで力強く引き戻した。
■ 週明けの再騰と201.59円への完全なるV字回復(7月6日〜7日現在)
週明け6日(月)に入ると、朝方の200.54円を安値に一方通行の上昇トレンドへと回帰した。東京時間で201円台を易々と奪還すると、欧州時間(17:00台)には一時201.59円まで急伸。先週2日の急落分をすべて帳消しにする圧巻の巻き戻しを見せた。本日7日(火)は朝方に201.44円まで上値を試したのち、午前11:00現在、利益確定売りに押されて201.10円付近で揉み合っているが、強気トレンドの主導権は完全に維持されている。
ファンダメンタルズ分析
スイス側(SNBの底堅いスタンスと、欧州リスクに伴う安全資産需要):
スイス国立銀行(SNB)の追加利下げ観測を背景にフラン売りが先行しやすい局面もあったが、根底にある欧州諸国の政治的不透明感(フランス総選挙や財政規律への懸念など)から、伝統的な安全資産としての「スイスフラン独自の避難買い需要」が再燃している。これが中長期的なフランの底堅さを支えており、先週2日の急落(199.56円)の局面でも、他クロス円に比べて素早い買い安心感をもたらす原動力となった。
日本側(下値での圧倒的な実質金利差と、介入恐怖心の麻痺):
201円台後半へ突入した局面では為替介入への警戒感が最高潮に達したものの、自律的なポジション調整によって199円台半ばまで値幅をこなしたことで、市場は目先のリアルな脅威から解放された。根本的な日英・日欧以上の圧倒的な日墨・日スイスの構造的金利差に変更がないため、値幅調整が完了したポイントからは実需の円売りが非常に素早く流入したと言える。
テクニカル分析
トレンド:
先週中盤の「201.55円からの急落(199.56円)」は冷や汗をかかせる展開であったが、週明けに再び直近戻り高値をクリアして201.59円まで上値を拡張したことで、日足・4時間足ベースの上昇トレンドは完全に維持されている。テクニカル的には199.56円を底とする「V字トップ奪還」の形状を成しており、非常に強い買い圧力を証明した。
今後は、かつて強固な壁であった「200.80〜201.00円」のゾーンがロールリバーサル(支持転換)として機能するかが焦点となる。ここを死守できれば、過去データ(6月17日17:00台)に記録されている年初来高値圏の壁である202.47円の奪還を見据えた強気チャネルへとシフトする。
レジスタンス1: 201.44 - 201.59(7日の朝方高値、および6日の戻り高値。ここを安定的に上抜けるかが第一関門)
レジスタンス2: 202.00(心理的節目大台)
レジスタンス3: 202.47(6月17日に記録した年初来高値圏の強固な壁。最大の難所)
サポート1: 200.80 - 201.00(先週前半の揉み合い中心帯。ロールリバーサルによる足元の生命線サポート)
サポート2: 200.30 - 200.54(3日の揉み合い安値、および週明け6日の始動ポイント)
サポート3: 199.56(7月2日に記録した直近の最安値。ここを再度割り込まない限り、短期的な強気シナリオは維持される)
今後のポイント・見通し
今週の最大の焦点は、急激なV字回復によって奪還した201円台の地盤を完全に固め、直近高値の壁である「201.59円」をクリアして再び202円台〜年初来高値(202.47円)への上値追いにシフトできるか、あるいは戻り売りに押されて再び200円台後半の支持帯テストへと引き戻されるかである。
【メインシナリオ】201円台前半の支持帯が機能し、201円台後半〜202円大台突破へシフトする展開
200.80 - 201.00円のロールリバーサル支持帯が機能し、底堅い推移を維持する展開。欧州情勢に伴うフランの逃避買いと圧倒的な実質金利差を背景に、足元の揉み合いを経て201.50円を完全に掌握。直近高値201.59円をブレイクし、年初来高値(202.47円方向)へとジリジリと水準を切り上げる展開を想定。
想定レンジ: 200.80 - 202.20
根拠: 199.56円からの力強いV字反転、欧州政情不安に伴うフラン買い安心感、根本的な実質金利差の継続。
【対抗シナリオ】201.50円超えでの戻り売り失速と支持帯(200.50円付近)の再テスト
201.55 - 201.59円の抵抗帯がダブルトップとして非常に強固な壁となり、戻り売り圧力に押される展開。上値の重さが嫌気されると201.00円を割り込み、先週末に買い支えられた200.30 - 200.50円付近のサポート力を再テストする流れへ。
想定レンジ: 200.20 - 201.60
根拠: 201.50円超えにおける急ピッチな上昇に対する利益確定売り、および他クロス円の急な調整連動。
総評
6月29日から7月6日にかけてのスイスフラン円は、一時201.55円まで上値を伸ばした直後に199.56円まで深く押し込まれるなど、恐怖心と実需買いが交錯するダイナミックな一週間となった。しかし、この値幅調整を絶好の好機と捉えた押し目買い需要と、欧州リスクに端を発した伝統的なフラン買いの強さが相乗効果を発揮し、相場は週明けにかけて「驚異的なV字回復」を果たす形となった。
足元は再び201円台前半を掌握しており、先週の悲観的なムードは完全に払拭されている。今週は、ロールリバーサルによって強固な土台となった「200.80〜201.00円」を死守しつつ、201.59円の戻り高値をクリアできるかどうかの極めて重要な局面である。ここを突破できれば年初来高値(202.47円)への再挑戦の道が開けるが、阻まれた場合は再び200円台への押し戻しを意識する揉み合いに引き戻される、新たな分岐点に立っていると言える。
今週の主な結果
07/06 16:00 雇用統計 (6月) 結果 2.9% 予想 3.0% 前回 3.0% (失業率(季調前))
07/06 16:00 雇用統計 (6月) 結果 3.1% 予想 3.1% 前回 3.1% (失業率(季調済))
執筆者 : MINKABU PRESS
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