【通貨別まとめと見通し】南アランド円:10.00円大台突破で10.01円台へ急騰、一時9.83円台へ急調整も実質金利差を背景に強烈なV字回復
【通貨別まとめと見通し】南アランド円:10.00円大台突破で10.01円台へ急騰、一時9.83円台へ急調整も実質金利差を背景に強烈なV字回復
先週から今週(6月29日〜7月6日)のまとめ
他クロス円と同様に、南アランド円でもポジション調整による激しい乱高下が相場を支配する一週間となった。週明け6月29日(月)に9.81円台後半からスタートした相場は、30日(火)のNY時間にかけて急加速。心理的節目であった9.90円を突き抜けて一時9.92円台へ急乗せすると、7月2日(木)午前には9.9287円まで上値を拡張し、強気トレンドの健在を証明した。
しかし、同日2日(木)の欧州時間(15:00台)に入ると流れが一変。クロス円全体の突発的な利益確定売りに巻き込まれる形でロング勢の投げが加速し、一時9.8360円まで垂直落下。せっかく築いた上値地盤を瞬時に割り込む緊迫した調整局面を迎えた。
それでも、9.83円台の押し目では日南の圧倒的な実質金利差(キャリートレード需要)や、南アフリカ新政権への期待を背景とした実需の買いが猛烈に流入。週末にかけて9.94円台まで水準を戻すと、週明け7月6日(月)には再び上値追いの勢いが爆発。NY時間にかけて念願の10.00円の大台を突破し、一時10.0133円に達する歴史的な急反騰を演じた。足元では利益確定売りに押され9.99円近辺で揉み合っているものの、完全に一段上の強気ステージへと主導権を引き戻している。
詳細な値動きの振り返り
■ 9.90円台突破と高値圏での足固め(6月29日〜7月2日前半)
週明け29日(月)を9.81円台でスタートした相場は、30日(火)のNY時間(23:00台)に急上放れ。1時間で9.91円台から一時9.9260円まで爆騰した。明けた7月1日(水)も終日を通して9.91〜9.93円台のレンジで底堅く推移(高値9.9321円)。2日(木)の午前中にかけても9.92円台をキープするなど、大台への地盤固めを着実に進めていた。
■ 突然の急落による9.8360円への下押しと、強固な買い支え(7月2日後半〜3日)
堅調と見られていた相場は2日(木)の欧州時間(15:00台)に急転する。突発的なポジション調整の売りにトリガーを引かれると、18:00台には一時9.8360円まで一気に下落。翌3日(金)の東京時間早朝にも9.8898円まで突っ込む場面が見られた。しかし、新興国通貨屈指の高金利を背景とするペソ円同様、この安値圏は絶好のバーゲンハント(押し目買い)好機と捉えられ、週末クローズにかけては9.94円台まで力強く引き戻した。
■ 週明けの爆騰と10.00円大台突破の歴史的瞬間(7月6日〜7日現在)
週明け6日(月)からは上昇トレンドが完全に再開。東京時間朝方の9.9304円を安値にじりじりと水準を切り上げると、欧州時間(16:00台)には9.98円台、17:00台にはついに念願の10.00円大台を易々と突破し、一時10.0133円まで達する歴史的な爆騰を演じた。本日7日(火)も朝方に10.0113円を記録するなど強気バイアスを維持。午前11:00現在、利益確定売りに押され9.99円台前半で揉み合っているものの、完全に新たな取引ステージへシフトしている。
ファンダメンタルズ分析
南アフリカ側(GNU発足による政治安定とタカ派金利の優位性):
南アフリカ国内で挙国一致政府(GNU)が正式に発足したことで、これまでの政局不安が一退退行。構造改革や経済成長への期待感が中長期的なランド高の支援材料となっている。また、南アフリカ準備銀行(SARB)によるタカ派据え置き姿勢(高い名目金利の維持)が根底にあるため、インフレ沈静化が進む欧米に比べて利下げ開始が遅れるとの見方が、キャリートレーダーにとって強力な買い安心感を与えている。
日本側(下値での圧倒的な金利差需要と、介入実弾なき警戒の後退):
10.00円という歴史的節目を前に為替介入への警戒感は燻るものの、相場が先週一度9.83円台まで自律調整を入れたことで、市場の恐怖心は目先一服。日英・日欧以上に日南の金利差構造は圧倒的であり、本邦当局の実弾介入が実行されない事実を見透かした実需の実質金利差(キャリー)需要が、押し目での強烈な買い支えを担保している。
テクニカル分析
トレンド:
先週7月2日の急落(9.8360円)とその後の反発により、チャート上には「綺麗に下値を切り上げる強固なダブルボトム(2日安値9.8360円、3日深夜安値9.8898円)」が形成された。週明けにそのネックラインを上抜けたことで上昇フラッグをブレイクアウト。目標値であった10.00円大台の突破(10.0133円への到達)を成し遂げたため、中長期の上昇チャネルは完全に維持されている。
足元は急騰の反動から大台ライン(10.00円)を僅かに下回る揉み合いとなっているが、これは健全な日中調整の範囲内。今後は、かつて強固な抵抗帯であった「9.9300〜9.9450円」のゾーンがロールリバーサル(下値支持帯)として機能するため、ここを死守している限りはいつでも年初来高値(10.0133円)を超えて10.05〜10.10円を目指せる強気地合いが継続する。
レジスタンス1: 10.0113 - 10.0133(7日の朝方高値、および6日に記録した直近の最高値・最大抵抗線)
レジスタンス2: 10.0500(心理的節目であり、ここを安定的に超えると一段と買い戻しが加速しやすい壁)
レジスタンス3: 10.1000(強気チャネルの次なる大台ターゲット)
サポート1: 9.9781 - 9.9900(本日の揉み合い安値を含めた、目先ファースト防衛線)
サポート2: 9.9300 - 9.9450(先週前半の高値の壁。今回はロールリバーサルによって強固な下値支持帯へと転換した足元の最重要生命線)
サポート3: 9.8360(7月2日に記録した直近の最安値。ここを再度割り込まない限り、短期・中期的な強気V字反転シナリオは維持される)
今後のポイント・見通し
今週の最大の焦点は、急激なV字回復によって奪還した10.00円大台の地盤を固め、直近高値の壁である「10.0133円」をクリアして再び10.05円以上の水準切り上げにシフトできるか、あるいは利益確定売りに押されて再び9.90円台半ばのロールリバーサル支持帯へと引き戻されるかである。
【メインシナリオ】10.00円大台定着に向けた足固めと10.05〜10.10円への水準切り上げ展開
9.93 - 9.95円付近のロールリバーサル支持帯が機能し、底堅い推移を維持する展開。圧倒的な実質金利差(キャリー需要)を背景に足元の利食い売りを消化。直近高値である10.0133円をブレイクし、新規の強気チャネル(10.05〜10.10円方向)へとジリジリと水準を切り上げる展開を想定。
想定レンジ: 9.9300 - 10.1000
根拠: 9.8360円からの力強いダブルボトム形成とネックライン上抜け、南ア新政権GNU発足に伴う政治安心感、根本的な実質金利差(高金利需要)の継続。
【対抗シナリオ】10.00円超えでの戻り売り失速と支持帯(9.90円付近)の再テスト
直近最高値である10.0133円付近の抵抗帯が非常に強固な壁となり、戻り売り圧力に押される展開。上値追いに対する警戒感から再び9.95円を割り込むと、先週末の揉み合い支持ゾーンである9.9000 - 9.9300円付近の堅牢性を再テストする流れへ。
想定レンジ: 9.8500 - 10.0200
根拠: 10.00円大台付近における急ピッチな上昇に対する利益確定売り、および他クロス円の急な調整連動。
総評
6月29日から7月6日にかけての南アランド円は、一時9.8360円まで深く押し込まれ、上昇トレンドの生命線であった9.90円をあっさりと割り込む「調整拡大」を強いられる厳しいスタートとなった。しかし、この値幅調整を絶好の好機と捉えた押し目買い需要と、新政権 GNU 発足に伴う政治安心感がランド買いを爆発させ、相場は週明けにかけて「念願の10.00円大台突破」を果たす劇的な一週間となった。
足元は再び10.00円大台を巡る重要な防衛戦へと回帰しており、前週までの悲観的なムードは急速に払拭されている。今週は、ロールリバーサルによって強固な土台となった「9.9300〜9.9450円」を死守しつつ、10.0133円の直近戻り高値をクリアできるかどうかの極めて重要な局面である。ここを突破できれば次なる高値(10.10円方向)への道が開けるが、阻まれた場合は再び9.90円割れを意識する揉み合いに引き戻される、新たな分岐点に立っていると言える。
今週の主な予定
南ア
07/09 20:00 製造業生産高 (5月) 予想 -3.0% 前回 -2.7% (前月比)
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。