本日もドル円は150円台で膠着 明日のPCEデフレータの結果待ち=NY為替概況
きょうのNY為替市場、本日もドル円は150円台で、上にも行けず、下にも行けない状況が続いた。150円台後半までは上昇するものの、151円台を試す動きまでは見られていない。明日のPCEデフレータの発表に備えている状況。今月発表の1月分の米データが強い内容が多く見受けられていることから、今回のPCEデフレータもインフレの粘着性を示すのではとの警戒感も広がっているようだ。PCEデフレータはFRBが重要視しているインフレ指標で、経済見通しでもPCEデフレータの見通しが示される。
市場は昨年12月に、今年の大幅利下げを織り込んでいたが、世界の多くの地域でインフレの粘着性が問題視され、その期待が後退している。短期金融市場では現在、12月FOMCでの金利見通し(ドット・プロット)の中央値に沿って、年末までの利下げ幅は計0.75%ポイントに留まるとの見方を織り込んでいる。以前は1.50%ポイント超まで織り込まれていた。明日のPCEデフレータはこの状況を正当化するのか、それとも変化を与えるのか注目される。
朝方に第4四半期のGDP改定値が発表され、GDP自体は下方修正されたものの、個人消費やGDPデフレータおよびPCEデフレータが上方修正されたことから、ややドル高の反応も見られていたが、大きな動きには至らなかった。
ユーロドルは下に往って来いの展開。一時1.08ドルを下回り、本日1.07ドル台後半に来ている21日線をうかがう展開も見られていたが、NY時間に入って1.08ドル台半ばに戻す展開となり、200日線の水準は維持されている。
ドルは過大評価されており、今年末までにユーロドルは1.15ドルまで上昇するとの見方が出ている。米経済は現在、比較的堅調に推移しているが、いずれ、他の地域の顕著な弱さと一致し始めると予想しているという。その場合、米インフレは鈍化を続け、FRBの利下げが意識されるという。
しかし、ドルの下落幅は予想よりも小さくなるか、あるいはドル高になるリスクもあるとも述べた。
ポンドドルはロンドン時間に一時1.26ドル台前半まで下落し、21日線に顔合わせしたものの、NY時間に入ってその下げを取り戻した。1.27ドル台は依然として重い雰囲気だが、下値での底堅さも見られ、次のアクション待ちといった雰囲気となっている。
ハント英財務相が3月6日に春季予算案を発表するが、年内の総選挙を意識した減税などの財政的手当てが期待されている。ただ、大規模な財政刺激策までは難しい状況。予算規模が限定的だとしても、それが結果として財政優遇策になるようであれば、それは緩やかなポンド高に繋がる可能性があるとの指摘が出ている。英中銀も利下げを急ぐことはなく、FRBやECBの後の利下げ実施の可能性の方が高いという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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