ドル円は147円台での上下動 明日のFOMCの反応待ちの雰囲気=NY為替概況
ドル円は147円台での上下動 明日のFOMCの反応待ちの雰囲気=NY為替概況
きょうのNY為替市場でドル円は147円台での上下動が見られた。朝方は前日の流れを引き継ぎ、147円台前半まで下落していたものの、この日発表の米経済指標が予想を上回る強い内容となったことでドル買いが優勢となり、ドル円も147円台後半に戻す展開となった。
ただ、全体的には方向感のない展開で様子見気分が強い。きょうからFOMCが始まり、明日結果が発表される。その反応待ちといった雰囲気に変化はない。今回は据え置きが確実視され、FRBのスタンスを探るうえで、パウエル議長の会見が注目となる。前回のFOMCでは、委員の金利見通し(ドット・プロット)が今年3回の利下げを見込み、ハト派サプライズとなった。市場では、3月利下げ開始は後退しているとはいえ、5月の早期利下げ期待はなお根強い。
ただ、今月発表の米雇用統計や消費者物価指数(CPI)が予想を上回る内容となり、先週のGDP速報値も強い内容となった。PCEデフレータはインフレ鈍化を期待させる内容ではあったが、パウエル議長の会見は、市場の早期利下げ期待にブレーキをかける内容になるのとも見られている。なお、今回は委員の金利見通しは発表されない。
ドル円は現在、100日線付近で推移しているが、1月高値を上抜けていないことで、足の早いテクニカル指標では下向きのサインが出始めているようだ。ただ、明確な下落サインまではまだ示現しておらず、明日のFOMCや週末の米雇用統計を受けて148円台のゾーンを突破できれば、150円への可能性はまだ十分に残っている状況ではある。
ユーロドルは一旦1.08ドル台前半に値を落したものの、下げ渋った。本日の200日線が1.08ドル台半ばに来ているが、その水準での上下動が続いている状況。
本日はユーロ圏およびドイツなど主要国の第4四半期のGDP速報値が公表されていた。かろうじて2四半期連続のマイナス成長であるテクニカル的リセッションは回避された。ユーロ圏GDPは予想の0.1%減に対して前期比変わらずとなり、ドイツGDPは前期比0.3%減となったものの、第3四半期がゼロ%成長に上方修正され、リセッションは免れた。
ECBの利下げ期待も若干後退はしたものの、4月までの利下げ開始を90%超で織り込み、年内は計1.42%ポイントの利下げを織り込んでいる。情勢に変化はない。
ポンドドルは米経済指標を受けて売りが優勢となり、一時1.2640ドル近辺に下落したものの、後半になって1.26ドル台後半に戻す展開が見られた。21日線を下放れる動きも見られたが、結局21日線付近での推移を維持している。次第に上値が重くなっている気配はあるものの、下押す動きまでは見られず、狭い範囲での値動きが続いている。
ポンドに関しては木曜日の英中銀金融政策委員会(MPC)待ちの雰囲気も強い。一部からは、英中銀が景気を懸念する兆しを見せれば、それはポンドに重くのしかかる可能性があるとの指摘も聞かれる。
英中銀はMPCで金利を据え置き、高インフレのため利下げはまだ先であることを示唆するとの見方が大勢を占めている。しかし、英景気後退のリスクは最近の重要な焦点となっており、英中銀が今年の景気減速を予想する兆候を示せば、間違いなく短期的にポンドの重荷となるという。MPCでの英中銀の最新のインフレ見通しと成長予測は、今後数カ月間の政策行動の可能性を示唆するものとして注目されるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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