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為替相場まとめ6月12日から6月16日の週

為替 

 12日からの週は、円安が進行した。今週は米FOMCを始めとして、ECB、日銀の主要中銀の金融政策会合が実施された。為替市場は各中銀のスタンスの強弱の差に反応している。最も明確な動きが円売り。日銀の大規模緩和の継続姿勢が際立った。一方、米欧ではECBのタカ派度が意外にも強かったことで、ユーロ買いが強まっている。ラガルドECB総裁は7月利上げについて明言し、利上げ停止や休止について議論せずとした。米国は今後の利上げ2回との見通しに驚きはあったものの、今回は据え置きだった。パウエル議長会見では利上げペースを緩める方向性が示されていた。円以外の通貨に対しては、全般的にドル売りが優勢となっている。ドル円は139円台から141円台まで上昇。クロス円も総じて高値を伸ばす動きだった。同時にドル安も進行してユーロドルは1.09台、ポンドドルは1.28台に乗せる動きをみせた。金融政策スタンスの差が円安をドライブしており、来週の英中銀やスイス中銀での利上げ観測が一段と円安を招くのかが注目されている。

(12日)
 東京市場は、様子見ムードが広がった。あすの米消費者物価指数や明後日の米FOMCを控えて動きにくい展開だった。ドル円は朝方は上値重く139.30割れへと軟化も、すぐに戻して139円台での落ち着いた値動きとなった。ユーロドルは1.07台で、20ポイントレンジと同意に欠けている。人民元は今月中に追加緩和との思惑が一部で広がったこともあり、朝から元安の動き。ドル/人民元は直近の高値を超えて、11月以来のドル高・元安となる1ドル=71472元を付けた。米ゴールドマンサックスが今月の会合での40%への利上げ見通しを発表したドルリラは、金融政策正常化による介入後退の期待が強まり、朝方1ドル=23.65リラを付け、対ドルでの史上最安値を更新。その後は少し調整が入っている。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。週明けの欧州株が堅調に取引を開始するなかで、円売りとドル売りが併存する形で取引をスタート。クロス円の上昇が先行し、ユーロ円は150円台乗せから150.35近辺に、ポンド円は175円台半ば超えから175.77近辺に、豪ドル円は94円台前半で高値を94.42近辺へと伸ばした。しかし、円売りは続かず。欧州株や米株先物が次第に上げを消すと米債利回りも反落、円買いとドル売りが交錯する形に流れが変化している。ドル円は139.60台で上値を抑えられると139.07近辺まで安値を広げた。ユーロ円は一時149.70台、ポンド円は175円台割れ、豪ドル円は94.10台へと押し戻された。この日は手掛かりとなる経済統計発表に欠けており週央の米FOMCでの利上げ休止観測が意識された面があったようだ。また、ハスケル英中銀委員が複数回の追加利上げの可能性を示唆したほか、週末にはハト派のテンレイロ委員の後任によりタカ派色の強いとみられるグリーン氏が指名されるとの報道もあった。しかし、この日はユーロ買い・ポンド売りが優勢になっており、イベントを控えて調整色が濃かったようだ。トルコリラは再び最安値を更新。ドル安地合いでもリラ買い方向には動いていない。

 NY市場で、ドル円は139円台後半まで上昇。NY時間に入って米債利回りが一時上昇に転じたことで、次第にドル買いが優勢となった。アドビが公表したデータによると、オンラインショッピングでは裁量消費財の価格低下は顕著なものの、食品価格は依然として高水準で推移していることが明らかとなった。全体的には今週のFOMCを控えて様子見気分が広まっており、結果待ちの雰囲気が強い。ユーロドルはNY時間にかけて1.07台後半まで上昇したものの、NY時間に入るとドル買いに押されて1.07台半ばに伸び悩んだ。ポンドドルも戻り売りに押されて、一時1.25台を割り込んだ。米大手銀のストラテジストからは、ECBは今週の理事会で利上げを行う可能性が高く、今後さらにもう1回の利上げを行うことを示唆するとの見方を示した。ポンドは明日の英消費者物価指数の発表待ちに。

(13日)
 東京市場では、米消費者物価指数の発表待ちのムード。週央には米FOMCも控えており、主要通貨は落ち着いた値動きとなった。ドル円は139円台半ばを中心に推移。米FOMCでの政策金利据え置き期待もあって、昼過ぎには139.33近辺まで軟化も、その後は買い戻された。ユーロドルは1.07台後半での推移。午前中からじり高となり、1.0750台から1.08手前まで上昇も、大台手前の売りに上値を抑えられた。ユーロ円は150円付近から150.60近辺まで上値を伸ばした。中国人民銀行は11週間物レポレートを従来の2%から1.9%に引き下げた。15日の中期貸出制度(MLF)、20日の最優遇貸出金利(LPR)の引き下げ期待も強まり、元安となった。ドル人民元は直近のドル高水準を超える7.1672を付けた。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。米消費者物価指数の発表を控えて、インフレ鈍化見通しが優勢になっている。ロンドン朝方はポンド買いが先行。一連の英雇用統計が予想以上に強含んだことに反応した。7月に退任するテンレイロ英中銀委員の後任となるグリーン氏の議会証言が行われ、持続的インフレに警戒感を示していた。ポンドドルは1.25台前半から後半へと買われ、ドル売り圧力につながった面があった。ユーロドルも連れ高となるなか、6月の独ZEW景況感指数が発表され、-8.5と予想外に改善したことがユーロ買いにつながる面も。ユーロドルは1.07台後半から一時1.08台乗せへと買われた。ただ、現状指数は悪化し、期待指数もマイナス圏のまま。ZEWは専門家が今年後半の経済状況改善を予想していないこと意味すると慎重な見方を示した。中国が広範囲で景気刺激策を検討との報道があり、欧州株は買いが先行。クロス円を押し上げた。ユーロ円は150円台前半から後半へ、ポンド円は強い英雇用統計で175円台乗せとなった後も小幅に高値を伸ばした。そのなかで、ドル円は139.50付近での揉み合いを続けている。米債利回りとともに米消費者物価指数待ちの構えとなっている。
 
 NY市場では、米CPI結果を受けて一時ドル売りが強まった。5月の米消費者物価指数(CPI)が予想とほぼ一致し、依然として高水準ではあるものの、前回からは鈍化傾向を示した。市場では今回の米CPIを受けて、明日結果が発表されるFOMCでの利上げ一時停止を確実視しており、短期金融市場では90%以上の確率で据え置きが見込まれている。ただ、市場の見方に変化はなく、今回のFOMCは利上げを一時停止するものの、声明や経済見通し、FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)、パウエル議長の会見などから、もう一段の追加利上げの可能性を示唆する見られている。CPI発表直後は米国債利回り低下と伴に為替市場はドル売りが強まり、ドル円も139円台前半に下落した。しかし、売り一巡後にドル円は140円台を回復する展開。米株が堅調に推移しており、円安の動きも出ていた。ユーロドルは米CPIを受けて上下動も、全般的には買い戻しが優勢で、一時1.08台に乗せた。今週のECB理事会では利上げが確実視されている。ポンドドルは1.26台を回復した。ロンドン朝方の英雇用統計の強い結果が英中銀の追加利上げ期待につながった。

(14日)
 東京市場は、小動き。米FOMC発表やパウエル議長会見をNY午後に控えて様子見ムード。市場では昨日の米CPIが予想をわずかながら下回る伸びとなったことで、政策金利据え置き観測が一段と高まっている。今回予想通り利上げを見送った場合、7月に利上げを行うとの見通しが過半数を超えており、声明、会見、経済見通しの状況が注目されている。、事前に動きにくい状況となっている。ドル円は140円を挟んで売買が交錯したあと、140.10台へと小幅上昇。ユーロドルは1.0790前後での揉み合いからロンドン朝方には1.0770台へ小安く推移。ややドル買いが入る程度の値動き。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。米生産者物価指数(PPI)とその後の米FOMCの注目イベントを控えてドルが売られている。前日の米CPIの伸び鈍化を受けて、ドル売りが広がった経緯があり、米PPI発表前からドルが軟調に推移している。また、米FOMCについては政策金利据え置き観測が大多数となっている。ドル円が140円を挟んで売買が交錯する一方で、ユーロドルは1.07台後半から1.08台乗せ、ポンドドルは1.26付近でサポートされたあと、1.2650付近に高値を伸ばしている。欧州株の堅調な動きもあって、ユーロ円は151円割れ水準から151.37近辺に高値を更新。ポンド円は176円台半ばから177.15近辺まで高値を伸ばした。米10年債利回りは前日終値3.814%付近で上下動と方向性に欠けている。南アランドは同国の企業景況感の悪化にもかかわらず、このところの堅調な流れを維持している。トルコリラは、エルドアン大統領がトルコ新財務相の路線を受け入れたと表明したことで、買戻しが入っている。

 NY市場では、午後の米FOMCを受けてドル買い反応が広がった。FRBは市場の予想通りに利上げを一時停止したものの、注目のFOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)であと2回の利上げを示唆した。市場ではあと1回と見られていただけにサプライズとなった。短期金融市場では年内の利下げの可能性が完全に後退し、7月の追加利上げの可能性を高めている。確率は70%に上昇。ただし、2回目の追加利上げについて市場は、まだ可能性は低いと捉えている。FRBは声明で追加利上げは指標次第と言及しており、2回目の追加利上げについては、この先の指標を確認したい意向のようだ。その後のパウエルFRB議長の会見で「休止は利上げペースを緩やかにすることの継続。ゴールに近づくにつれ、利上げは控えめにするのが筋」などと、比較的タカ派なトーンが控え目だった。ドル円は140円台を回復したあと。139円台に戻した。ユーロドルは1.08ちょうど付近まで下落したあと、1.08台前半に落ち着いた。ポンドドルは1.26台前半に下押しされたあとは1.26台半ばに落ち着いた。

(15日)
 東京市場は、円安が進行。前日に米FOMCを終えて、明日の日銀決定会合を控えるタイミングで一気にドル円が140円付近から141円台に乗せた。FOMCでは経済見通しの上方修正とともに、メンバーの金利見通しで市場の想定を上回るあと2回の引き上げ見通しが示された。一方で、明日の日銀会合では大幅緩和策の維持が見込まれており、日米金利差拡大観測が広がっている。クロス円も買われて、ユーロ円は151円台から152円台後半へ、ポンド円は177円台前半から178円台後半へと上伸した。ユーロドルは1.08台半ばから1.08ちょうど手前水準へと軟化も、ユーロ円の上昇に下支えされて1.08台割れは回避されている。人民元は中期貸出制度(MLF)の引き下げを受けて、朝方は売りが先行も午後には買いが進行した。中国買いの動きとなっていた。

 ロンドン市場は、ECB理事会発表を控えてユーロが堅調。ユーロドルは1.0804近辺を安値に1.0850付近へと反発。ユーロ円は円安圧力も加わり高値を153.11近辺に更新。対ポンドでもユーロが買われている。ECB理事会では25bp利上げが市場に織り込まれている。発表を控えて昨日の米FOMCの据え置きとの対比が意識された面も。今後についても市場はECBのさらに1回の追加利上げを織り込んでいる。ドル円は一時141.50近辺まで高値を伸ばした。あすの日銀金融政策決定会合での大規模緩和継続見通しを受けて、あと2回の利上げ見通しを示した米FOMCとの中期的なスタンスの差が円売り圧力となっている。ドル円はユーロドルの上昇を受けて一時140.85近辺まで反落も、再び141円台乗せと根強い円売り圧力が観察されている。株式市場は売りが優勢。北朝鮮から弾道ミサイルの可能性あるもの発射、オランダの欧州最大のガス田が年内に閉鎖との関係者情報などが報じられたが、いずれもに特段の反応はみられなかった。

 NY市場では、ユーロ買いが強まった。その影響でドル安の動きも広まった。ECB理事会では予想通り25bp利上げが発表された。コアインフレ見通しの引き上げや、ラガルドECB総裁会見での7月利上げ見通しの明言、利上げ休止や停止について議論されず、など想定以上のタカ派ぶりが示されたことが、ユーロ買いにつながった。ユーロドルは1.08台前半から1.09台半ばへと急伸。ポンドドルも1.26台半ばから1.27台後半へ、豪ドル/ドルは0.68付近から0.69手前まで買われた。ドル円も141.50レベルを高値に140円台前半へと反落している。また、この日発表された米小売売上高の好調や新規失業保険申請件数の高止まりなどが市場の米経済のソフトランディング期待を広げて、米株が買われた。クロス円は東京市場から引き続き右肩上がりの値動きを示し、円安が進行した。ユーロ円は153円台、ポンド円は179円台、豪ドル円は96円台半ばへ高値を伸ばした。

(16日)
 東京市場は、日銀会合を受けて円売りが優勢。ドル円は午前の取引で139.85近辺まで下押しされた。前日NY市場での軟調な流れを引き継いでいた。その後、140円台を回復したところで日銀会合の結果発表を迎えた。予想通りの政策金利据え置き、YCCや資産買入方針についても現状維持とした。声明内容にも目立った変化はみられず。ドル円は140.77近辺まで急伸、やや調整が入るも再び140.80近辺に高値を更新した。クロス円も同様に動き。ユーロ円は153円手前まで軟化したあと、154円を試す動きに。ポンド円は179円台割れのあと、節目の180円をつける動き。今回も一部海外勢を中心にみられたYCC修正期待は空振りとなった。

 ロンドン市場は、円安が再び進行している。東京昼前に日銀は政策金利据え置きとともに、YCCを始めとした緩和策の維持を発表、円売りに反応した。ロンドン早朝の植田日銀総裁会見では緩和継続の必要性が丁寧に説明され、ドル円は再び141円台に乗せると高値を141.40近辺に更新した。しかし、前日海外市場でつけた141.50レベルには届かず調整売りに140.80近辺まで反落。その後、ふたたび141円付近へと底堅い値動きとなっている。東京市場からの円安の流れを受けてクロス円も堅調。ユーロ円は154.70付近、ポンド円は180.85付近、豪ドル円は97.26付近に高値を伸ばした。前日の米株高を受けてきょうも欧州株も堅調に推移しており、リスク選好の円売りも加わったもよう。前日にECB理事会を終えて、きょうはタカ派のECBメンバーらが7月に加えて、9月の利上げの可能性も指摘していた。ただ、ユーロドルは1.09台半ば、ポンドドルは1.28付近など前日からの高値水準で売買が交錯しており、比較的小幅に値動きが続いている。

 NY市場でドル円は上値追いの流れが継続しており、141円台後半に上昇している。本日は日銀決定会合が行われたが、大方の予想通りに金融政策は据え置きとなった。植田総裁が会見で、消費者物価は年度半ばにかけてプラス幅を縮小していくとし、粘り強く金融緩和を継続する方針を示したこともあり、円相場は円安の反応が見られている。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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