今週のまとめ8月12日から8月16日の週

為替 

 12日からの週は、リスク動向が目まぐるしく変化するボラタイルな展開だった。米中貿易戦争の長期化が懸念されるなかで、米政府は一部中国製品に対する関税賦課を12月に延期すると発表した。105円台割れを目指してきたドル円相場は一気に107円近くまでショートカバーさせられた。しかし、その後は再び105円台へと下落する激しい値動き。英国とともに米国の長短金利差に逆転現象が発生した。2007-8年の金融危機以来の現象。今後の景気後退を示唆するものとして市場は警戒感を強めた。利回りは米10年債が一時1.50%台割れ、30年債も2%割れとなる場面があった。ダウ平均株価指数は14日の取引で800ドル安となった。そのなかで、ユーロとポンドは明暗が分かれた。ユーロは軟調。ドイツ第2四半期GDPがマイナス成長となり、次回9月ECB理事会で思い切った緩和策が必要との見方が広がっている。ユーロドルは一時1.10台へと下落。一方、ポンドには買戻しの動きがみられた。英物価統計、小売統計などが比較的強かったことが買い圧力となったほか、英議会休会中で離脱関連の動きが止まっていることから、ショートカバーが出た面があった。豪ドルは比較的底堅かった。豪雇用統計が予想外に強かったほか、人民元相場で元安の動きが次第に落ち着いたことなどが下支えとなった。



(12日)
 東京市場は「山の日」の振り替え休日のため休場。

 ロンドン市場は、円買いが優勢。序盤に買い先行だった欧州株や米株先物が下げに転じるなどリスク回避ムードが広がっている。米債利回りは1.73%近辺から1.68%近辺へと低下。原油が反落、金が反発している。香港ではデモの影響で香港国際空港がきょうの運航を全休した。香港当局は警戒感を高めている。ドル円は一時105.15レベルと1月3日以来の安値水準となり、105円台割れうかがう動きとなっている。ユーロ円117台後半、ポンド円127円割れ、豪ドル円71円ちょうど近辺など円買いに押されている。ただ、その中では豪ドルが最も弱く、ポンドの下げは限定的。対ドルでは、各通貨で値動きがまちまち。ポンドドルは1.20台後半へと堅調な動き。対ユーロでの買戻しが入っている。ユーロドルは1.11台後半で下に往って来い。豪ドル/ドルは0.67台後半から半ばへと下げ続けている。

 NY市場は、ドル円が105円台を維持も上値が重かった。一時105.05レベルまで下落したが、105円台割れは回避されている。105円の心理的水準に接近するとショートカバーや押し目買いが活発にでている。ただ、上値も重い。先週トランプ大統領が、早期に中国との貿易問題を解決する用意はないと言及し、9月の協議に関しても延期する可能性も示唆していた。その発言を受け市場は改めて米中対立への警戒感を高めている状況で、リスク回の雰囲気がドル円を押し下げている。きょうも米株式市場でダウ平均は一時460ドル超下げており、米国債利回りも大幅に低下。ユーロドルは1.12台を再び回復。ポンドドルは1.21ちょうど近辺まで買い戻された。総じてドル売り圧力が優勢。

(13日)
 東京市場は、ドルの買戻しが優勢。ドル円は105.20台で東京朝を迎え、しばらく揉み合いが続いた後、106.50超えまで上昇した。懸念された人民銀行による対ドル基準値設定がほぼ事前予想通りの無難なものとなり、ポジション調整の動きが広がった。昨日夕方から全面閉鎖された香港国際空港が再開するなど、リスク材料の一服もドル買い円売りに寄与。ユーロドルは1.12台を割り込んで、1.1182レベルまで軟化。午後に入ると日経平均が下げ幅をやや縮小しリスク回避動向は落ち着いた。為替市場でも慎重な売買姿勢がみられている。
 
 ロンドン市場は、ドル円が軟調。欧州株や米株先物が軟調に推移、リスク回避ムードが続いた。米10年債利回りも低下しており、円高とドル安の動きが神経質に交錯した。序盤は円高の動き。その後は、ドル安の動きとなり、ユーロドルやポンドドルが反発するなかで、ドル円は一段安となっている。クロス円にはやや買い戻しが入った。香港国際空港は昨日に続いて混乱しており、香港デモが終息する兆しはみられていない。アルゼンチンのデフォルトスワップも前日並みの高水準。ドル円は一時105.07レベルまで再び下落も、105円台は維持された。ユーロドルは1.12を挟んだ上下動。ポンドドルは1.20台半ばから後半での振幅。ドル安の動きで反発傾向。英ILO雇用統計では、賃金の伸びが予想を上回った。一方、独ZEW景況感指数は大幅に落ち込み、2011年12月以来の低水準となった。ただ、いずれにもポンドやユーロは目立った反応をみせず。

 NY市場では、ドル円が急速に買い戻された。朝方は105円割れを試す動きが再び見られていたが、トランプ政権が中国からの輸入品に賦課する予定の10%の追加関税について、一部製品に限り発動を12月15日まで延期すると発表した。延期になった製品には携帯電話やパソコン、玩具などや日用品が含まれており、新学期から年末商戦にかけての家計の消費に配慮した内容となっている。また、新華社通信によると、中国が米国と2週間以内に電話協議を行うと報じた。中国の劉副首相がムニューシン米財務長官、ライトハイザーUSTR代表と協議を行うと述べた。ドル円は一気に107円手前まで上昇。ただ、香港国際空港をめぐる混乱報道で106円台半ばへと売り戻された。ユーロドルは戻り売りが優勢で、1.11台に再び軟化。イタリア政局不安、独景況感の悪化など売り材料も豊富だった。ポンドドルは1.21台手前水準から1.20台半ばへと下落。米株が大幅反発したことで、ユーロ円などクロス円は買われている。

(14日)
 東京市場で、ドル円は神経質に振幅した。朝方に106円台後半から106.30割れまで下落。実需売りが観測された。人民銀の人民元対ドル基準レートは10営業日ぶりに元高方向に設定されたが、オフショア人民元がすぐに元安方向に動いたことで106.20台に安値を広げた。午後には106.60台に反発と下に往って来いとなった。この日発表された中国の小売売上高、鉱工業生産、設備投資などが弱い結果となり、豪ドルは売られた。ユーロやポンドは対ドルでは小動き。対円では、ドル円とともに振幅した。

 ロンドン市場は、リスク回避の動きが再燃。欧州株や米株先物が下落しており、各国の長期債利回りが低下。この日は英国債に続いて米国債でも長短金利差の逆転現象が発生している。ドル円は106円台前半で軟調な動き。クロス円では中国指標の弱さもあって豪ドル円が71円台後半へと反落。ユーロとポンドは対照的な動き。この日発表されたドイツGDP速報値は予想通りマイナス0.1%成長と冴えなかった。ユーロ圏鉱工業生産も予想を下回った。一方で、英消費者物価指数は前年比+2.1%と予想外に中銀目標を上回っており、ポンド買い・ユーロ売りの圧力がみられた。ただ、リスク回避圧力でポンド円の上値は限られている。
 
 NY市場では、ドル円が105円台に下落した。前日の一部中国製品に対する追加関税発動を12月に延期するとの発表を受けたリスク選好の動きから反転している。米2-10年国債のイールドカーブが一時逆転したことで、景気後退への懸念が強まり、リスク回避の円買いが広がった。ドル円一時105.65近辺まで下落、前日の上昇の7割程度を戻した。ユーロも売られ、ユーロドルは1.1130近辺に、ユーロ円は117円に下落した。ドイツGDPのマイナス成長が引き続き重石となった。ポンドドルは1.21台が重く、1.2050付近へと押し戻された。ロンドン市場から上に往って来いとなった。米株は大幅安となり、ダウ平均は800ドル安で取引を終えた。
 
(15日)
 東京市場は、落ち着いた値動き。ドル円は105円台後半の揉み合いの中で、一時106円台を回復する動き。前日の米株が大幅安となったあと、きょうもアジア株の下げ幅は限定的だった。日経平均も大きく下げているが、買戻しも入り、一段の円高の動きはみられなかった。米債利回りは低下しており、30年債利回りは市場初の2%割れとなっている。ただ、ドル売りの動きは一服。ユーロドルは1.1140-50レベルでの揉み合に。豪雇用統計で雇用者数が予想を大幅に上回る増加となり、内訳でも正規雇用が好調だったことで、豪ドルは買いが優勢。

 ロンドン市場は、ドル円が荒っぽい値動きだった。ロンドン早朝に突然買いが強まり、105.90近辺から一気に106.78レベルまで急伸した。大口のフローが持ち込まれたとの観測があったほかは、目立った背景はわからず。ロンドン序盤には106.30前後にいったん落ち着いた。その後、中国が、習氏とトランプ氏の合意を米国が破った、新たな10%関税で、との一報が流れると、106円割れから105.70近辺へと再び下落した。欧州株や時間外取引の米株先物は前日の大幅下落のあとで、やや反発地合いだったが、この報道とともいマイナス圏に転じている。米10年債利回りは1.51%台まで一段と低下。きょうは米中貿易戦争が再び意識されるリスク相場となっている。そのなかで、ポンドは堅調。この日発表された英小売売上高が事前予想を上回ったことが買いを誘った。ポンドドルは一時1.21台乗せ。ユーロ相場は方向感に欠ける展開。ユーロドルは1.11台半ばでの揉み合い。

 NY市場では、ドル円の下げは一服したが、上値も重かった。米小売売上高などこの日発表された米経済指標が良好だったことや、中国が貿易問題について交渉で解決するスタンスを強調したことなどで、ドル円は106円台前半で堅調に推移した。しかし、午後には再びドル売りが強まり、105.80近辺まで下押しされた。米10年債利回りが2016年8月以来の1.5%割れとなったことに反応した。ただ、すぐに106円近辺に戻した。米2-10年債利回りの逆転現象は解消されている。米株は小幅反発。ユーロドルは1.10台に下落する場面があった。米経済指標の強めの結果とともに、レーン・フィンランド中銀総裁発言が売り圧力となった。「9月の理事会では相当程度のインパクトのある刺激策が必要、刺激策は過小よりも過大のほうがより良い」などと発言した。ポンドは買い戻しが優勢で、NY市場でもおおむね1.21台を維持した。英小売売上高が予想を上回ったことに下支えされた。

(16日)
 東京市場は、小動き。ドル円は106円台前半での揉み合い。朝方に106円割れを試すもサポートされたが、上昇も106.27レベルまでにとどまった。午後は揉み合い商状が続いた。週末を前に積極的な取引を手控える動き。トランプ大統領などの発言で一気に相場が動く中で、週末越えのポジション作成を避けたいとの思惑も。ユーロドルは1.11台を挟んで、20ポイント弱の狭いレンジ取引。前日に売られた後の安値圏で推移している。欧州の景気鈍化懸念が9月のECB理事会での緩和期待につながっている。ポンドは比較的しっかりしており、対ドルで1.21台を回復した。英議会が休会中とあってポジション調整の買いがでていたもよう。

 ロンドン市場は、円売りとポンド買いが優勢。ドル円は106.49レベルまで高値を更新。クロス円も総じて堅調。なかでもポンド円は128円台半ばから129円台半ばへと大幅上昇。 欧州株や米株先物が上昇、米債利回り上昇、原油高の一方で金相場は反落するなど、総じてリスク選好の動きとなっている。ポンドにとっては、前日の英小売売上高など足元での英経済指標がしっかりとしており、欧州の弱い経済状況と対照的なことが対ユーロでの買い戻し誘っている。英領ジブラルタルが、拿捕したイランのタンカーの解放を決定し、地政学リスクが緩和されたことも好感されたもよう。ポンドドルが1.21台半ばに上昇する一方で、ユーロドルは1.10台後半へと下落。昨日のレーン総裁発言の影響が残っている面も。

 NY市場はユーロの買い戻しが優勢となった。ドイツのシュピーゲル誌の報道に反応した模様。ドイツのメルケル首相とショルツ財務相はドイツが景気後退に陥った場合、財政赤字を拡大させる準備をしていると報じている。景気低迷による税収不足を国債の発行増で相殺させる可能性があるという。ドイツはプラス成長時の財政赤字はGDPの0.35%までが上限と憲法で定めているが、景気後退に陥った場合は規制を緩和してもよいルールとなっている。

 

出所: minkabuPRESS

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