【これからの見通し】材料多いが進展もみられず、期待と不安で振幅する展開 ミシガン大消費者信頼感に注目
【これからの見通し】材料多いが進展もみられず、期待と不安で振幅する展開 ミシガン大消費者信頼感に注目
今週は神経質に方向性が振れる展開が続いている。ドル安・円高・ユーロ高といった先週までの流れは停滞している。トランプ大統領に関連した話題は引き続き豊富で、ウクライナ停戦をめぐる対ロ協議の行方に関心が集まっている。また、関税政策についてはEUとの対立が鮮明となっており、まだ前向きな姿勢には至っていない状況だ。やや安心感がみられるのが米つなぎ予算だが、そもそもそれほど市場には注目されていなかったようだ。ドイツでは防衛予算をめぐって緑の党との交渉が続いているが、まだ結論はでていない。現在進行形の話題が多く、市場は関連報道に右往左往するのみとなっている。
来週には日米英などの金融政策発表が控えている。ドル円相場にとっては春闘の力強さが印象付けられるのかどうかがポイント。予想を上回る満額回答続出となれば来週の日銀追加利上げ観測が一段と高まることとなりそうだ。ただ、市場に行き過ぎた見方が広がっていると判断されれば、日銀や政府関係者から週末にかけてリーク報道などが流れることも念頭に置いておきたい。
来週の米FOMCに関しては、短期金融市場は据え置きを織り込んでいる。パウエル議長などからも利下げを急がない姿勢が示されている。ただ、トランプ関税の負の一面がクローズアップされるなかで、米景気動向の行方には関心が高い。丹念に米ファンダメンタルズ指標をチェックしてゆく必要がありそうだ。
きょうはミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(3月)が発表される予定。市場予想は63.0と前回の64.7からの低下を見込んでいる。インフレ期待については、1年は4.3%と前回から変わらず。5-10年は3.4%と前回の3.5%から若干の鈍化が予想されている。
英中銀についても、来週の会合では政策金利据え置きが織り込まれている。ただ、市場は3月26日の春季予算案発表に注目している。福祉や政府機関などに対する公的支出削減が景気に悪影響との見方が広がる可能性が警戒される。まずは、本日発表される英月次GDP(1月)をチェックしておきたい。市場予想は+0.1%と前回の+0.4%からの伸び鈍化を見込んでいる。
この後の海外市場で発表される経済指標は上記の英米指標以外にも、ドイツ消費者物価指数(確報)(2月)、フランス消費者物価指数(確報)(2月)、ドイツ経常収支(1月)、英鉱工業生産指数(1月)、英製造業生産高(1月)、ブラジル小売売上高(1月)、カナダ製造業売上高(1月)、カナダ卸売売上高(1月)などが予定されている。
発言イベント関連では、連合25年春闘第1回回答集計結果発表、エスクリバ・スペイン中銀総裁、ポローネECB理事などの経済イベント参加が予定されている。マーク・カーニー元カナダ中銀総裁が第24代カナダ首相に就任する。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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