ドル円は156円台半ばに伸び悩む=NY為替
その後、ドル円は156円台半ばでの推移となっている。この日の米雇用統計を受けてドル買いが強まり、ドル円は一時157円台に上昇する場面が見られた。ただ、以前のような力強さはなく、上値に慎重になっているのか、買いが一巡すると伸び悩む展開となっている。
5月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が27.2万人増と予想を大きく上回る増加を示した一方、失業率は4.0%に悪化し、強弱まちまちな内容ではあった。ただ、平均時給は前月比0.4%、前年比で4.1%上昇し、いずれも前回を上回っていた。インフレの粘り強さを示唆する内容ではある。
これを受けて市場は、FRBの年内利下げ期待を再度後退させており、9月の利下げはほぼ無いとの見方に変化しているほか、年内も12月の1回に留まるとの見方を織り込み始めている。来週はFOMCが予定され、今回は委員の金利見通し(ドット・プロット)が公表される。FOMCの結果発表当日の朝に5月の米消費者物価指数(CPI)が発表され、その数字次第の面もあるが、年末までの利下げ予想の中央値を3月時点の3回から1回に下方修正してくるのではとも見られているようだ。
ドル円は本日156.30円付近に来ている21日線の上を回復している。来週のFOMCや日銀決定会合を前に、その水準を上回って今週を終えられるか注目される。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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