次期FRB議長がブレイナード理事ならドル安との指摘も=NY為替
この日発表の8月調査分のミシガン大消費者信頼感指数速報値が衝撃的に弱い内容となったことで、為替市場はドル売りが加速しており、ドル円は110円を割り込んでいる。数字の割には冷静な反応を示している印象もあるが、さすがに反応せざるを得ないようだ。今週の米消費者物価指数(CPI)発表後、ドルは買いが一服し、週末にかけて調整の流れが出ていたが、きょうのミシガン大指数はその背中を押したのかもしれない。ドル円はきょうの下げで21日線を下回っており、目先は早期に110円台を回復できるかが注目となりそうだ。
次期FRB議長を巡って様々な情報が錯そうしている。バイデン政権はパウエルFRB議長が雇用に重点を置いた政策をとっているとのことから、バイデン政権の経済政策と方向感が一致しており、パウエル議長続投が有力とも見られているようだ。ただ、一部の民主党の有力議員からは、議長はリーマンショック時に導入した金融規制の解除に前向きだったとして、反対の主張も出ている。パウエル議長が交代であれば、ブレイナードFRB理事が最有力候補として見られているようだ。
一部からはブレイナード理事が指名されれば、幅広いドル安が見込まれ、インフレ連動資産がかなり恩恵を受けるとの指摘も出ている。ブレイナード理事はよりハト派的となり、利上げまで、より多くの時間がかかることが想定されるという。ブレイナード理事なら、米10年債のインフレの影響を控除した実質利回りはマイナス1%をかなり下回る水準で2021年を終える公算が大きいという。FRB利上げ観測の後退とインフレ期待の上昇は、ドルにとって二重の打撃となる。また、ブレイナード理事が指名されれば、ユーロと円も緩やかに上昇する公算が大きいとしている。
USD/JPY 109.76 EUR/USD 1.1797 GBP/USD 1.3859
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。