ドル円、160円に急接近 米求人件数が予想外に強い内容=NY為替概況
ドル円、160円に急接近 米求人件数が予想外に強い内容=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は160円に急接近した。ただ、160円台には乗せていない。この日発表の米求人件数が予想外に強い内容だったことでドル高も見られ、ドル円をサポート。
ただ、米求人件数は振れが大きく信頼性にばらつきがあることでも知られ、ある程度割り引いて受け止める必要があるとの指摘も出ていた。実際、離職率は市場予想を下回った。もし、労働市場が本当に急速に強まっているのであれば、自発的な離職も増えるはずで、離職率が予想を下回るのは整合的ではないという。
それでも今回の結果は、ウォーシュ新議長にとって新たな悩みの種になる可能性はあるとの指摘も出ていた。新議長は本来利下げを志向していると見られ、労働市場の改善そのものに不満を示すことはないと思われる。しかし、FOMC内のタカ派委員は、労働市場の底堅さを示す追加的な証拠として今回のデータを利用し、利下げに慎重姿勢を主張する可能性があると述べている。
一方、160円急接近したドル円だが、為替介入のリスクを過小評価しているとの声も出ている。オプション市場でドル円の1週間物のボラティリティは、G10通貨全体のボラティリティ低下に追随し、ドル円が160円に接近する中でも、介入が再び実施されるリスクを十分に反映していないという。
ただ、今月の日銀決定会合で、もし利上げを実施した場合に、それが円安を食い止めるかを見極めるまで、日本の当局は待つと投資家が想定している可能性もあるとも指摘していた。
ユーロドルは1.16ドル台での値動きを継続。200日線の下での推移が続いており、上値は重いものの下押す気配もない。一方、ユーロ円も円安の動きから堅調に推移し、186円台を回復している。
この日は5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)が発表され、予想通りではあったものの、前回から伸びは拡大していた。エネルギー価格上昇により、ユーロ圏のインフレはECBの目標をさらに上回り、来週のECBの利上げの見方を正当化している。
短期金融市場では、その後も年末までにさらに1-2回の追加利上げを見込んでいる。
ポンドドルは1.34ドル台後半まで買い戻され、100日線と21日線に顔合わせしたものの、NY時間の後半になって1.34ドル台半ばに伸び悩んだ。一方、ポンド円は円安の動きが強まり、215円台半ばまで一時上昇。4月30日の介入に伴う下げを取り戻す展開が続いている。
ただ、ポンドに関しては継続的な上昇は困難との見方も出ている。アナリストは、英経済および政治リスクに起因する逆風を考慮すると、ポンドはいかなる上昇も維持するのに苦労する可能性があると指摘。
ポンドは、エネルギー価格ショックが英国の交易条件に与える潜在的な影響、冷え込む労働市場、最近の軟調なインフレ統計、スターマー首相を巡る根強い不信感に左右され続けているという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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