膠着した展開が続く ドル円は162円台で振幅=NY為替概況
膠着した展開が続く ドル円は162円台で振幅=NY為替概況
きょうもNY為替市場は膠着した展開が続き、ドル円は162円台での振幅が続いた。オプション市場で1カ月物のボラティリティも2022年2月以来の低水準に低下している。
為替市場は夏枯れ相場の様相を呈しているが、状況に変化はない。今週の米インフレ指標が、想定上のインフレ鈍化を示したことから、FRBの早期利上げ期待は後退。しかし、年内1回以上の利上げの可能性は織り込んでおり、FOMC委員からも追加利上げに賛同する姿勢が垣間見られている。イラン情勢も不透明で原油価格も再上昇していることから、インフレ懸念は根強い。
エコノミストからは、そろそろドル安基調へ回帰するのではとの見方も出ている。安全資産としての需要やFRBの利上げ観測を背景に今年のドルは支えられてきたが、こうした要因はすでに為替相場に織り込まれており、今後は長年続いてきたドル安へ回帰する可能性があるという。
基本シナリオでは、FRBは年内を通じて政策金利を据え置くと予想しているが、一方で1回の利上げが実施されるリスクもあると指摘。ただ、仮に利上げが実施されたとしても、その可能性はすでにドル相場に織り込まれていることから、ドルの一段高に繋がる余地は限られるという。逆に利上げが見送られれば、ドル下落要因になると述べている。
また、米財政に対する懸念が引き続き重しとなることから、ドルは中長期的な下落トレンドに戻るとの見解も示している。
ユーロドルは1.14ドル台で振幅。ボラティリティの低い相場展開が続く中、21日線の上での推移を継続しており、リバウンド相場入りの気配も見せているものの、上値も重い状況が続いている。一方、ユーロ円は186円手前で底堅さを堅持しているものの、186円台には慎重といった雰囲気。
来週は23日にECB理事会が予定されているが、米大手証券のアナリストは、6月に利上げを実施したECBは、今回は政策金利を据え置く見通しだと述べた。6月の理事会以降に公表された経済指標は、ECBが想定する「緩やかなシナリオ」と「基本シナリオ」の中間に位置する内容となっている。また、ラガルド総裁や他の理事会メンバーの最近の発言からも、据え置き予想が裏付けてられているとも指摘した。
今後の政策判断には、さらに多くの経済指標の確認が必要とした上で、「最近の原油価格の変動は、エネルギー価格の先行きに依然として大きな不確実性があることを改めて示している。この点だけを見ても、ECBは声明文や会見で金融政策の方向性を強く示唆することは避けるだろう」と分析している。
ポンドドルは1.34ドル台半ば。今週は200日線を上放れ、一時1.3560ドル付近まで急上昇したが、その上げ幅を縮小する動きが見られた。本日の200日線は1.34ドルちょうど付近に来ており、目先の下値メドとして意識される。一方、ポンド円も戻り売りに押されており、一時218円ちょうど付近下落する場面が見られた。
アナリストは、最近のポンド高は英経済への見方が大きく改善したためではなく、投資家のポジション調整による影響が大きいとの見方を示した。投機筋のポジションは、ポンド売り越しが2017年以来の低水準まで縮小しているという。ポジション調整が一巡し、市場の関心が再び英経済の弱さや英中銀が利上げを見送る可能性へ向かえば、ポンドは軟化を強めると予想している。
また、別のアナリストからは、今回のポンド高はスターマー前首相の辞任を受けて、バーナム氏が英首相に就任するとの期待感が主な要因となっていた。ただ、ポンド高には一定の合理性があったと考えているが、次第に「噂で買って、事実で売る」という展開になりつつあるように見える。英経済の低成長や、今後の財政政策を巡る不透明感がポンドの重しとなり、相場が軟化する可能性があるとの見方も出ている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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