【これからの見通し】株式市場の調整ムードは継続も、為替は緩やかな動き 英CPIと米IT決算に注目
【これからの見通し】株式市場の調整ムードは継続も、為替は緩やかな動き 英CPIと米IT決算に注目
本日も株式市場では調整ムードが優勢になっている。パニック的な値動きは一巡してきているものの、上値の重い状況には変化はみられていない。
為替相場は市場ごとに神経質に上下するパターンが続いている。そのなかで、今週に入ってからは円安とドル高の傾向がみられている。リスク回避のなかでドル買いと円買い圧力が錯綜、それに日米金利差による円キャリー取引の動きや日本の財政継続性への不透明感などが加わり、ドル円相場は円売りが優勢。少しずつだが連日高値を更新してきている。
本日午後6時10分からは、日銀の植田総裁と片山財務相、城内経財相が会談を行う予定になっている。昨日の高市首相と植田総裁の会談は市場にインパクトを与えることなく無難に通過していたが、本日はどうか。昨今の円安動向に警戒感が明言されるようだと、円買い反応がみられそうだ。
また、日本時間午後4時には一連の10月英インフレ指標が発表される。注目のCPIの予想は前年比+3.5%と前回の+3.8%からの鈍化が見込まれている。サービスCPIは前年比+4.6%と前回の+4.7%から若干の鈍化に留まる予想となっている。市場では12月に英中銀利下げがある確率を80%程度織り込んでいる状況。コアインフレの内容を市場がどのように捉えるのかがポイントとなりそうだ。ポンド相場にとっての注目材料だ。
欧州ではユーロ圏CPI確報値(10月)が発表される。市場予想は前年比+2.1%など各項目が速報値と同水準となっている。ECBのインフレ目標達成もあって、市場の注目度は低くなりそうだ。
NY時間にはMBA住宅ローン申請指数(11/08 - 11/14)、貿易収支(8月)などの米経済指標が発表される。政府機関の再開を受けて、ようやく8月貿易収支が発表される。市場予想は604億ドル赤字と7月の783億ドルから赤字幅が縮小する見込み。
発言イベント関連では、米国発の材料が多い。ミランFRB理事、バーキン・リッチモンド連銀総裁、ウィリアムズNY連銀総裁などが講演およびスピーチを行う予定。ヴィンセント加中銀副総裁は経済会議に出席する。米20年債入札(160億ドル)が実施される。米FOMC議事録(10月28日-29日開催分)が公表される。そして、市場センチメントに影響を与えそうなイベントがエヌビディア四半期決算となろう。米株式市場引け後の日本時間午前6時20分に予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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