FX/為替「ドル/円今日の予想」 外為どっとコム トゥデイ 2025年11月12日号

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年11月12日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼11日(火)の為替相場
(1):米上院 つなぎ予算案を可決
(2):英失業率 悪化
(3):独ZEW景気期待指数 低下
(4):ADP週次雇用統計発表
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:154円台半ば抜けを試す可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
11日(火)の為替相場

期間:11日(火)午前7時10分~12日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米上院 つなぎ予算案を可決
米上院はつなぎ予算の修正案を賛成多数で可決。今後、下院で承認されればトランプ大統領の署名を経て予算が成立する。予算切れに伴う政府機関の一部閉鎖が終結する可能性が高まった。
(2):英失業率 悪化
国際労働機関(ILO)基準の英7-9月失業率は5.0%と市場予想(4.9%)を上回り、6-8月の4.8%から悪化。7-9月の週平均賃金(除賞与)は前年比+4.6%で、予想通りに6-8月の+4.7%から伸びが鈍化した。英10月失業率は4.4%、同失業保険申請件数は2.90万件だった(前月4.3%、0.04万件)。
(3):独ZEW景気期待指数 低下
独11月ZEW景気期待指数は38.5と市場予想(41.0)に反して10月の39.3から低下。ZEW(欧州経済研究センター)は「ドイツの経済政策は差し迫った課題に対処できるのか、その能力に対する信頼感の低下が全体的な景況感に表れている」と指摘した。
(4):ADP週次雇用統計発表
米国の給与計算サービス大手ADP社は、民間企業が10月25日までに週あたり1.125万人の雇用を削減していたとの推計を発表。米労働市場の下振れリスクが意識されて一時ドル売りに傾いたが、ヴェテランズデーの祝日で米債市場が休場とあって、影響は限定的だった。
11日(火)の株・債券・商品市場

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:154円台半ば抜けを試す可能性
昨日のドル/円は、終値ベースではほぼ横ばいとなった。米政府機関閉鎖の解除への期待から東京時間には円売り・ドル買いが先行し、一時、約9か月ぶりとなる154.50円前後まで上昇した。もっとも、米上院で政府機関閉鎖解除に向けたつなぎ予算案が可決されると、下院での採決を見極めたいとの思惑から、ドル買いは続かなかった。その後、米民間企業のADPが発表した週次の雇用統計において、10月25日週までの4週平均で民間雇用者数が1万1,250人減少していたことが伝わると、153.67円前後まで弱含む場面も見られた。ただし、米国が祝日で市場参加者が限られていたこともあり、影響は限定的だった。 米政府機関閉鎖解除への期待がドル/円の支えとなっており、本日も株高を背景とするリスクオンの展開が続けば、市場が意識する154円台半ばの強い上値抵抗を試す展開となる可能性がある。米政府機関の再開は短期的にはドル買い要因となるだろう。もっとも、これまで延期されていた米政府系の経済指標の発表が再開されることは、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げに向けた「霧」が晴れることも意味する。米民間統計では労働市場の急速な悪化を示唆する結果が目立ち始めているため、FRBの追加利下げ期待が高まる可能性があり、ドル買いの勢いを削ぐ要因となりそうだ。なお、下院での採決は早ければ日本時間13日6時頃に行われると伝わっている。
注目の経済指標:特になし

注目のイベント:FRB高官発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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