FX/為替「ドル/円今日の予想」 外為どっとコム トゥデイ 2025年11月13日号

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年11月13日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
目次
▼12日(水)の為替相場
(1):片山財務相、「円安、マイナス面が目立ってきたことは否定しない」
(2):英保健相、スターマー首相降ろし否定
(3):ボストン連銀総裁、当面の金利据え置きを支持
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:円安の持続性がカギに/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
12日(水)の為替相場

期間:12日(水)午前7時10分~13日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):片山財務相、「円安、マイナス面が目立ってきたことは否定しない」
片山財務相は参院での答弁で、円安について「プラスとマイナスがあるが、マイナス面が目立ってきたところがあるのは否定しない」と発言。また、「足元は為替の一方的で急激な動きが見られる」「政府としては投機的な動向も含め、為替の過度な変動や無秩序な動きについて、高い緊張感を持って見極めているところだ」と述べた。これを受けて円を買い戻す動きが見られたが一時的だった。
(2):英保健相、スターマー首相降ろし否定
一部報道などで、英国のストリーティング保健相がスターマー首相の追い落としを企てていると伝わった。スターマー首相は2024年の総選挙で労働党を歴史的勝利に導いたが、現在は世論調査で支持を失っており、公約に反して所得税を増税すると見られている。ポンドは一時下落したが、ストリーティング保健相が「その報道は事実無根だ」「首相の辞任を求めない。私は首相を支持している」と述べたことでひとまず下げ止まった。
(3):ボストン連銀総裁、当面の金利据え置きを支持
米アトランタ連銀のボスティック総裁は「労働市場の変化にもかかわらず、より明確で差し迫ったリスクは依然として物価の安定だ」と述べて利下げに慎重な姿勢を強調した。その後、ボストン連銀のコリンズ総裁も「きわめて不確実なこの環境下では、インフレと雇用のリスクを均衡させるため、しばらくの間は政策金利を現行の水準に維持するのが適切となる公算が大きい」と述べた。一方、ミラン米連邦準備制度理事会(FRB)理事はこの日、「FRBの金融政策は引き締め的過ぎる」として大幅利下げの必要性をあらためて主張した。
12日(水)の株・債券・商品市場

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:ドル高は一巡、円安の持続性がドル/円のカギに
昨日のドル/円は一時155円台へと上昇し約0.4%高の154.81円前後で取引を終えた。
米政府機関の再開が期待される中、日銀の利上げ観測が後退したことも相まってドル高・円安が進むと2月4日以来の高値となる155.04円前後まで続伸した。片山財務相は「過度な変動や無秩序な動きについて高い緊張感を持って見きわめている」として円安けん制のトーンをやや引き上げたが影響は限定的だった。米政府機関の再開については、日本時間本日午前にもつなぎ予算案を巡る採決が下院で行われ、「迅速に可決される見通し(ジョンソン下院議長)」だ。
もっとも、市場は予算案の下院通過と政府機関の再開を完全に織り込んだと見られ、追加的なドル買い材料にはなりにくいだろう。なお、昨日のドルはユーロに対して小幅に下落しており、為替市場が米政府機関の再開をすでに消化したことを物語っている。
そうした中、本日のドル/円は円安の持続性がカギとなるだろう。高市首相は、経済財政諮問会議の民間議員や日本成長戦略本部のメンバーに複数の金融緩和推進派を起用。これを受けて金利市場の12月利上げ織り込みは40%前後に低下したが、まだ40%分は日銀の利上げ観測後退による円安継続の余地が残っていることになる。
本日は、株高などを背景とするリスクオンの地合いが続くかどうかにも注目したい。
注目の経済指標:英四半期GDP

注目のイベント:FRB高官発言
※時間は日本時間での表示になります。
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株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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