FX/為替「ドル/円今日の予想」 外為どっとコム トゥデイ 2025年11月10日号

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年11月10日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼7日(金)の為替相場
(1):中国貿易収支 予想を下回る
(2):FRB副議長「ゆっくりと進めるべきだ」
(3):ミシガン大消費者態度指数 予想を大きく下回る
(4):米政府機関閉鎖解除期待高まる
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:方向感を探る値動き/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
7日(金)の為替相場

期間:7日(金)午前7時10分~8日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国貿易収支 予想を下回る
中国10月貿易収支は900.7億ドルの黒字となり、黒字額は市場予想(968.5億ドル)を下回った。輸出が前年比-1.1%に落ち込んだ。中でも米国向けはトランプ関税の影響で-25.1%と前月に続いて大幅に減少した。
(2):FRB副議長「ゆっくりと進めるべきだ」
米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長は「現在の政策スタンスは依然としてやや引き締め的」ではあるものの、「金融政策は経済を抑制も刺激もしない中立レベル近づいている」とした上で「追加利下げの決定はゆっくりと進めるべきだ」との見解を示した。
(3):ミシガン大消費者態度指数 予想を大きく下回る
米11月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値は50.3に低下。市場予想(53.0)も下回り、2022年6月以来の低水準となった。ミシガン大の調査責任者は「政府閉鎖が長期化する中、消費者は経済への悪影響を懸念し始めている」、「消費者心理の低下は、年齢、収入、政治的立場を問わず国民全体に広がっている」と指摘した。なお、消費者のインフレ期待は1年先が4.7%と前月(4.6%)から上昇した一方、5-10年先は3.6%に低下した(前回3.9%)。
(4):米政府機関閉鎖解除期待高まる
米上院民主党が、つなぎ予算案への賛成と引き換えに医療保険制度(オバマケア)への補助金の1年延長を提案したことが伝わった。民主党が共和党側への要求をやや緩和した形となることから、予算合意への期待と政府閉鎖解除への期待が高まった。NYダウ平均株価が上昇に転じるなど、市場ムードが好転する中で円売りが優勢となった。ただ、直後に共和党の指導部に近い上院議員がこの提案を拒否すると明言したことも伝わったため、円売りは続かなかった。
7日(金)の株・債券・商品市場

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:方向感を探る値動き
7日のドル/円は終値ベースで約0.2%上昇。東京時間に152.81円前後まで下落する場面も見られたが、高市トレードなどを背景とする円先安観に変化はなく下値は堅かった。NY時間には米政府機関閉鎖解除への期待が浮上したため153.60円前後まで強含んだ。米政府機関の再開を巡っては、週末に上院共和党筋から「合意がまとまりつつある」との発言も伝っており、週明けのドル/円は前週末比で約35銭円安水準でスタートしている。米政府閉鎖解除は政治的混乱の沈静化を意味するため、短期的にはドル買い材料と受け止められている。もっとも、政府機関閉鎖解除は、これまで発表が延期されてきた米雇用統計などの経済指標に発表の目途が立つことにもなる。米国の経済状況が予想以上に悪化している可能性も考えられることから、ドル買い一辺倒に傾く可能性は低そうだ。本日も先週のレンジである152円台後半から154円台前半を中心に方向感を探る値動きとなりそうだ。
注目の経済指標:特になし

注目のイベント:日銀審議委員発言

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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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