ドル円、155円台を回復 ユーロ円は一時180円台に上昇=NY為替概況
ドル円、155円台を回復 ユーロ円は一時180円台に上昇=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ややドル高が優勢となる中、ドル円は155円台を回復した。2月以来。155円付近にオプション勢などの防戦売りも観測されていたが、それを突破している。後半になって米株式市場が大幅安となるなど、リスク回避の雰囲気は続いているものの、ドル円は155円台を維持した。
米政府機関は再開したものの、これまでの閉鎖に伴う経済的影響や、FRBの利下げ期待の後退、そしてAI関連株の高バリュエーションへの懸念などは続いている状況。
今週は延期されていた9月分の米雇用統計が20日(木)に発表される。すでに発表になっている9月分のADP雇用統計は、雇用者数が予想外の減少となり、米労働市場の冷え込みを示していた。弱い内容も警戒されるが、米雇用統計とADP雇用統計は必ずしも傾向が一致するわけではない。もっとも、米政府機関閉鎖前のデータでもあり、予想を上回っても、どの程度の反応を示すかは未知数。
この先、財務省による介入への警戒感も高まりそうだが、まだ実弾を打ってくる水準でもなく、しばらくは口先介入に留まるとも見られている。ただし、急速に動くようであれば、無きにしも非ずといったところかもしれない。
ユーロドルは緩やかな戻り売りに押され、1.15ドル台に下落。ただ、下押す動きまでは出ていない。本日の21日線が1.1585ドル付近に来ているが、その水準は維持されている格好。一方、ユーロ円は一時180円台を回復。ユーロ発足以来の高値を更新した。
ECBの利下げサイクルは終了と見られているものの、一部からはECBには更なる利下げ余地があるとの指摘も出ている。米大手証券のストラテジストは、ECBが来年の上半期にさらに利下げすると予想。政策金利を現在の2.00%から来年央までに1.50%まで引き下げ、その後据え置くと予想しているという。
成長鈍化、インフレの目標割れ、限定的な財政刺激策により、ECBはさらなる緩和に向かい、年金基金のデュレーション削減がイールドカーブをスティープ化させる中でも、政策は緩やかに緩和的な状態を維持すると述べている。
ポンドドルは1.31ドル台での推移が続いた。一方、ポンド円は204円台を回復し、一時204円台半ばに上昇。10月に上値を抑えられた水準を上抜く展開を見せており、年初来高値の205.30円を試す展開になるか注目される。
ポンドの今週の注目材料は水曜日に発表される10月の英消費者物価指数(CPI)であろう。物価上昇圧力が鈍化が示されれば、ポンドは再び下落する可能性があるとの指摘も出ている。
先週の英雇用統計やGDPを受けて、12月の英中銀の利下げ期待が高まる中、今週の英CPIがインフレの鈍化を示せば、決定打となりそうだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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