【これからの見通し】本日は米雇用統計発表、結果発表とともにトランプ発言などにも注意
【これからの見通し】本日は米雇用統計発表、結果発表とともにトランプ発言などにも注意
本日の注目イベントは米雇用統計となる。今回発表される5月の予想数値を確認すると、非農業部門雇用者数の予想は12.6万件増と前回の17.7万件増からの鈍化が見込まれている。エコノミスト予想の分布は、7.5万人増から19万人増までと幅広い。失業率は4.2%と前回と同水準が見込まれている。労働参加率も62.6%と変化は見られない見込み。平均時給は前月比+0.3%と前回の+0.2%から上昇、一方で前年比は+3.7%と前回の+3.8%からの鈍化が見込まれている。
市場は非農業部門雇用者数の数字に左右されそうだ。今週水曜日に発表された最新の米ADP雇用統計が予想外の弱い結果だったが、きょうの雇用統計予想にはまだ反映されていない点も指摘される。市場には、やや予想から弱含む心積もりはできていそうだ。むしろ、予想を上回った場合のサプライズの方が大きくなるのかもしれない。発表は日本時間午後9時30分となる。
ADP雇用統計発表後にはトランプ米大統領が即座に反応、いつもの「遅すぎる」発言でパウエル議長に非難した経緯がある。今回の米雇用統計はより注目度の高い指標とあって、トランプ大統領が再び反応する可能性も考慮しておきたい。
この後の海外市場で発表される経済指標は、上記の米雇用統計のほかにユーロ圏実質GDP(確報値)(2025年 第1四半期)、ユーロ圏小売売上高(4月)、カナダ雇用統計(5月)などが予定されている。
発言イベント関連では、昨日のECB理事会を終えたこともあり、ECB当局者の発言予定が相次ぐ。ホルツマン・オーストリア中銀総裁、ラガルドECB総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。また、ボウマンFRB副議長の講演も予定されている。今週末には米金融当局者が金融政策に関する発言を自粛する「ブラックアウト期間入り」となる。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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