【これからの見通し】先の見えないトランプ関税の影響、週明けは厳しい状況に
【これからの見通し】先の見えないトランプ関税の影響、週明けは厳しい状況に
週末を跨いで、トランプ関税による市場の混乱はさらにその厳しさを増している。トランプ米大統領は米国の赤字が解消するまで関税政策を引っ込めないとしている。株安についても想定されたこと、いまは耐えるときとのコメント。パウエルFRB議長に対しては利下げ要求を繰り返しており、同議長の行動が遅いと苦言を呈している。まずは中国やEUなどの強硬姿勢に譲歩の兆しがみられるのかをチェックしてゆきたい。トランプ氏の言動はそれによって変化するものとみられる。
ここ1カ月間の主要通貨ランキングをみると、トランプ関税が直撃しているのが豪ドル、NZドルなどのオセアニア通貨だ。中国との貿易関係が強く、米中貿易戦争の影響が最も懸念されている。一方、スイスフランが最強だ。貿易で米国との競合が比較的少ないことや、安全通貨としての買いも加わっている。カナダドルも強い。ひとまず米国との相互関税が見送られたことが好感されている。ユーロと円がそれに次いで強い通貨となっている。ポンドはやや弱め。米国との貿易戦争はEUと英国ではEUの方が深刻だが、英国にとっては脆弱な輸出産業に対する打撃が警戒されているようだ。産油国であることも世界需要の低下が原油安を招いている。
まだまだ、トランプ関税をめぐる動きが相場の主要テーマとなっており、ファンダメンタルズ指標はその影響を示す後追いの材料の面が強いようだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ユーロ圏小売売上高(2月)が予定されている程度となっている。発言イベント関連では、クーグラーFRB理事がインフレ動向とフィリップス曲線について講演を行う予定。EU外相理事会(貿易)が開催され、米国中国との貿易関係について協議を行う。新たな動きがでてくるのか、注目されよう。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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