ユーロドル、上値重い ドイツ経済の苦境は今年も続く見通し=NY為替
きょうの為替市場はこの日の米消費者物価指数(CPI)を受けてドル買いが強まり、ユーロドルも一時1.03ドル台半ばまで上昇する場面が見られた。本日の21日線が1.0350ドル付近に来ており、その水準に顔合わせしたが、戻り売りに押され上値を拒まれている。現在は米CPI発表前よりも低い水準に戻している。
ユーロドルは週初に1.01ドル台まで下落していたが、その水準からは反転している。テクニカル的にはリバウンド相場の兆候も出ているものの、ファンダメンタルズ的には懐疑的な状況ではある。
本日はドイツの昨年のGDPが公表されていたが、ドイツ経済は2年連続のマイナス成長となった。今年もそれほどの成長は期待できず、2月の総選挙後の新政権が抱える課題が浮き彫りとなっている。昨年のGDPは0.2%減となり、23年は0.3%減だった。2年連続のマイナス成長は1950年以降で2度目。10-12月(第4四半期)GDPも前期比0.1%のマイナス成長となっている。
エコノミストは苦境は今年も続く見通しだと述べている。実質家計所得の若干の回復とECBの利下げで消費と建設投資が押し上げられる可能性はある。しかし、エネルギー価格の高止まり、自動車や機械などドイツの主要工業製品に対する需要低迷、人口動態悪化による継続的な重荷でほぼ相殺されると述べている。
EUR/USD 1.0277 EUR/JPY 161.05 EUR/GBP 0.8417
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。