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為替相場まとめ5月13日から5月17日の週

為替 

 13日からの週は、ドル売りが優勢だった。そのなかではドル円の変動性が高く、米経済指標ごとに神経質な反応がみられた。米PPIとCPI、小売売上高、そして昨日の新規失業保険申請件数、輸入物価、鉱工業生産など一連の米経済統計発表結果に振り回された。PPIとCPIでは予想からのわずかな乖離結果にとどまったことで、市場のインフレ鈍化シナリオが勢い付いた。米FOMCの9月利下げ観測が広がり、米債利回り低下とともにドルが下落。ドル円は156円台から153円台まで下げた。しかし、その後はドル売りは一服している。昨日の一連の米経済統計群では輸入物価・輸出物価などが上振れした。また、前回悪化した新規失業保険申請件数がやや改善した。バーキン・リッチモンド連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁などからは利下げに慎重な姿勢も示されており、ドルの買い戻しを誘った。週末の東京市場で、ドル円は156円目前の水準まで買い戻された。ユーロドルなどドルストレートでは総じてドル売りに押される展開だった。ドル指数は4月10日以来のドル安水準に低下する場面があった。ユーロドルは1.08台後半、ポンドドルは1..26台後半などへと水準を上げた。


(13日)
 東京市場では、ドル円が神経質に上下動。午前中に155.96近辺まで高値を伸ばしたあと、日銀が買い入れオペの減額を発表したことで、一気に円買いとなり155.52近辺に急落。しかし、すぐに反発して昼前には155.90付近と下げ分をほぼ解消した。午後には値動きが落ち着いた。買い入れオペ減額を受けて日本10年国債利回りが約半年ぶりの高水準、2年国債利回りに至っては2009年9月以来の高水準に。ユーロ円も167.54-167.96レンジで振幅した。ユーロドルは1.07台後半に膠着。NZドルは小幅安。2年インフレ予想が前回を下回ったことに反応した。

 ロンドン市場は、落ち着いた取引。ややユーロ買いが先行したが、その動きも持続性に欠けている。明日の米生産者物価指数、パウエル議長のイベント参加、そして明後日の米消費者物価指数発表などを控えて様子見ムードが広がっている。ユーロドルは1.07台後半で一時20ポイント程度の上昇となった。特段の指標発表はなかったが、通信社が調査した最新のユーロ圏成長予測が上昇修正されたことに反応した面もあったようだ。ポンドドルも1.25台前半での揉み合いでやや底堅く推移。主要銀行調査では6月利下げ観測が増えつつあるが、市場の織り込みは引き続き8月開始が優勢。ドル円は155円台後半で落ち着いた取引。ユーロ円は168円台乗せ、ポンド円は195円台半ばへとやや上昇。欧州株は概ね下げており、明日以降のイベント前で調整の動きが中心となっている。

 NY市場では、ドル円が156円台に上昇。ここ数日上値を拒んでいた156円を突破し、ストップを巻き込んで156.25近辺まで買われた。NY連銀が4月の米消費者調査を公表し、米消費者の1年先のインフレ期待が前回調査の3.0%から3.3%に上昇した。昨年11月以来の高水準となった。再び介入警戒が高まりそうな水準に入って来たが、イエレン米財務長官はインタビューで「為替介入は稀な行為である」との見解を繰り返しており、他国への伝達が必要とも述べていた。ユーロドルは1.07台に軟化も下押す勢いには欠けた。これまで低迷していたドイツ経済に対する信頼感が高まっていることもユーロドルのリバウンド相場を支えているとの指摘も。ポンドドルは一時1.25台後半まで上昇、200日線を回復した。明日の英賃金統計が注目されている。

(14日)
 東京市場は、円安の動き。ドル円は午前中に前日高値を超えて156.50付近まで買われた。その後も高値圏での推移。 円安主導の動きでユーロ円などクロス円もしっかり。ユーロ円は、午前中に168.78近辺まで上昇。その後も高値圏推移。ポンド円も196円台前半から半ばへ小高く推移。ドルストレートは小動き。ユーロドルは1.0784-1.0794の10ポイント、ポンドドルは1.2549-1.2562レンジ。

 ロンドン市場では、ポンド売りが先行。日本時間午後3時発表の英雇用統計では失業率が上昇する一方で、賃金の伸びが予想を上回った。ポンドが上下どちらにも動きにくい結果となるなかで、ピル英中銀チーフエコノミストが「夏に利下げを検討する可能性高い」としたことで一気に売りに傾いた。しかし、売りも続かず元の水準に買い戻されている。ポンドドルは1.2510から1.2564で下に往って来い。ポンド円は196.60付近まで買われたあと、一時195.70付近まで下落も196円台半ばへと戻した。ユーロ相場もポンド売りに連れ安となる場面があったが、買戻しの方が優勢になっている。ユーロドルは1.07台後半から1.08付近、ユーロ円は168円台半ばから169円手前水準で振幅。ドル円はロンドン早朝に156.50台まで買われたあとは、上値を抑えられて156円台前半で推移している。米10年債利回りが4.49%付近から4.47%付近へと低下、ドル売り圧力となる面があったようだ。

 NY市場は、米PPIをめぐり振幅。ドル円は156円台で上下動。4月の米生産者物価指数(PPI)が前月比0.5%の上昇と予想を上回り一旦ドル買いで反応したが、買いが一巡すると戻り売りが強まった。前月分がマイナスに下方修正されており、甲乙つけ難い内容ではあった。パウエルFRB議長がオランダでのイベントで講演を行ったが、FOMC後の会見で示した姿勢と概ね変化はなく、為替市場も落ち着いた反応を見せていた。ユーロドルは一時1.0770付近まで値を落としたものの、リバウンド相場が崩れることもなく、逆に1.08台に上昇した。ポンドドルはロンドン時間に一旦1.25台前半に下落していたものの、NY時間にかけて買いが膨らみ1.26手前に上昇。市場は方向性を見出すのに苦労している模様、明日の米消費者物価指数が注目されている。

(15日)
 東京市場は、米CPIを前に様子見姿勢。ドル円は午前の156.56近辺を高値に、午後には156.18近辺まで反落。米10年債利回りが朝の4.44%台から4.42%台に小幅低下したことに反応。ユーロドルは1.08台前半で15ポイントレンジでの揉み合い。ユーロ円はドル円の値動きに沿って、169円台前半で推移した。豪ドル円は一時104円台乗せ。NY原油先物の上昇に反応した。

 ロンドン市場では、円高とドル安の動き。米CPI発表を前に米債利回りが低下。市場では米インフレ鈍化の動きが継続することが期待されているもよう。ドル円は156円台割れから155.50台まで軟化。ユーロ円は168円台半ば、ポンド円は196円台前半などに下げている。ドルストレートではややドル安の動き。ユーロドルは1.08台前半で小高い動き。ポンドドルは1.25台後半から1.26台前半へと水準を上げている。ユーロ売り・ポンド買いの動きもみられている。この日は特段のポンド関連の材料はでていないが、ユーロ関連の材料は比較的豊富。仏中銀総裁、フィンランド中銀総裁、エストニア中銀総裁はいずれも6月利下げ開始を示唆。また、欧州委員会は今年から来年にかけて、インフレが鈍化、成長が回復と予想した。ただ、材料で動いたというよりは、米CPIイベント前の調整の面が強かったようだ。

 NY市場では、ドル売りが加速した。米消費者物価指数(CPI)が前月比で総合、コア指数とも0.3%の上昇と予想を下回ったことでドル売りが強まった。短期金融市場でもFRBの利下げ期待が強まり、年内2回の利下げを完全に織り込む動きを見せているほか、9月利下げ開始の期待を強めた。米債利回りの急落とともに、ドル円は154円台後半まで急落、21日線を下回った。ユーロドルは1.08台後半へ、ポンドドルは1.27手前水準まで買われた。いずれも200日線を上放れした。ただ、今回の米CPIについて一部からは「米CPIが予想を下回ったとは言え、なお高水準であることに違いはなく、FRBの利下げへの慎重姿勢は変わらない」との指摘も。実際、本日はカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の発言が伝わっていたが、もうしばらく待つ必要性に言及していた。

(16日)
 東京市場では、ドル円が一段安。午前の取引で153.60近辺まで下落した。昨日の米消費者物価指数(CPI)や米小売売上高が発表された後の円高・ドル安が続いた。それぞれ弱めの結果だったことから、年内の米利下げ開始観測がやや高まっている。1-3月期の日本の国内総生産(GDP)1次速報値が前期比年率-2.0%となったことを手掛かりとする円売りは一時的。ドル円に連動し、ユーロ円は167.33付近、ポンド円は195.05付近、豪ドル円は102.81付近まで下落。4月の豪雇用統計で失業率が悪化、正規雇用者数が減少したことを受け、豪ドルは対ドルでも軟化した。

 ロンドン市場では、ドル買い・円売りに転じた。前日NY市場から本日東京午前にかけては、ドル安と円高の流れが強まった。米CPIと米小売売上高発表を受けて米早期利下げ開始観測が広がったことが背景だった。しかし、ロンドン時間に入ると注目イベント通過後で調整が入る格好となっている。また、このあとのNY市場で発表される新規失業保険申請件数などの結果を見極めたいとのムードもあるようだ。ドル円は東京午前に153円台まで下落した後は反発しており、154.80付近と前日NY終値水準に近づいた。クロス円も同様で、ユーロ円は167円台前半まで下げたあと168円台を回復、ポンド円は195円近くまで下落したあと196円台乗せまで反発した。米債利回りは低下一服となっており、ユーロドルは1.08台後半で、ポンドドルは1.27付近から1.26台後半へと上値重く推移している。欧州株は前日の英独指数の高値更新のあとで、利益確定売りに押されている。

 NY市場では、ドル円が序盤に155円台半ばへと上昇。その後も155円台に高止まりした。4月の米輸入物価指数が予想以上に上昇していたことが影響したようだ。米国債利回りも上昇し、ドル円の買い戻しを誘っていた。市場はFRBの年内利下げ期待を再び高めているが、その後の何人かのFOMC委員の発言に概ね変化はなく、現行水準の維持の必要性を強調し、利下げへの慎重姿勢を温存している。ユーロドルは1.08台半ばへ軟化したあと、1.08台後半に落ち着いた。下押しは浅く、リバウンド相場が継続している。市場はECBの6月利下げは完全に織り込んでいるが、その先については見方が分かれている。ポンドドルは一時1.2650割れまで下押しされたが、その後は1.26台後半に下げ渋った。来週22日の英消費者物価指数が注目されており、3年ぶりに2%を下回る可能性が指摘されていた。

(17日)
 東京市場では、円売りが広がった。日銀の買いオペの通告で各期間とも据え置きとなったことに反応した。13日には5年超10年以下が減額されたことがサプライズだった経緯があり、今回も減額が期待された面があったようだ。ドル円は155.40付近での揉み合いから一時155.93近辺まで上伸した。その後も155円台後半にとどまっている。ユーロ円は168円台後半から169円台前半へ、ポンド円は196円台後半から197円台前半へと買われた。ユーロドルは1.08台半ばから後半で15ポイントレンジでの取引だった。

 ロンドン市場では、ドル買いが優勢。米10年債利回りが4.36%付近から4.39%付近に上昇する動きが下支え。昨日は米輸入物価が上振れしたことなどでドルに買戻しが強まった経緯がある。きょうは主要な経済統計発表に欠けるなかで、週末調整を絡めたドル買いの流れとなっているようだ。今週の株式市場は米早期利下げ観測を好感して米欧などで最高値更新の動きが相次いだが、きょうは調整に押され気味となっている。ドル円は156円手前水準まで上昇。ユーロドルは1.08台後半から前半へ、ポンドドルは1.26台後半から半ば割れ水準へと軟化している。クロス円は東京市場で買われたあと、ロンドン時間には上昇一服。ユーロ円は169円台を割り込んでいる。一方、ポンド円は197円台前半に高止まり。ユーロ売り・ポンド買いのフローが入っている。

 NY市場はドル売りが優勢となりドル円はロンドンフィキシングにかけて155円台前半まで急速に下落したものの、根強い円安で155.70付近まで買い戻された。今週の米消費者物価指数(CPI)を始めとした一連の米経済指標を受けて市場はFRBの利下げ観測を強め、短期金融市場では9月と12月の年内2回の利下げを見込んでいる。ただ、FOMC委員の姿勢に変化はなく、ここ数日伝わっている委員の発言は、インフレの動向をなお確認する必要があり、現段階では高金利継続が好ましいとし、利上げに慎重姿勢を強調している。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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