FX/為替「ドル/円、底堅い米労働市場で早期利下げ期待が後退 次週にビッグイベント控え様子見か」 外為どっとコム トゥデイ 2025年7月25日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年7月25日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 中村勉
目次
▼24日(木)の為替相場
(1):米財務長官 日本の関税率、25%に戻る可能性を示唆
(2):独・ユーロPMI 改善へ
(3):英PMI まちまちの結果
(4):ECB政策金利 予想通りの据え置き
(5):米新規失業保険申請件数 4月以来の低水準
(6):米製造業PMI 好不況の分岐点下回る
(7):米大統領「金利を引き下げろ!」
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:様子見ムード広がる/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
24日(木)の為替相場
期間:24日(木)午前6時10分~25日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米財務長官 日本の関税率、25%に戻る可能性を示唆
ベッセント米財務長官はFOXニュースでのインタビューで日米貿易交渉について「米国は四半期ごとに貿易協定の履行状況を評価し、トランプ大統領が不満なら日本の関税率は25%に戻ることもある」などと語った。
(2):独・ユーロPMI 改善へ
独7月PMI・速報値は製造業が49.2と市場予想(49.5)を下回ったものの前月(49.0)から改善。また、サービス業は50.1と予想(50.0)以上に前月(49.7)から改善し4カ月ぶりに好不況の分岐点となる50.0を上回った。その後発表されたユーロ圏7月PMI・速報値は製造業が49.8と予想通りに前月(49.5)から改善。サービス業は51.2と予想(50.6)以上に前月(50.5)から改善した。
(3):英PMI まちまちの結果
英7月PMI・速報値は製造業が48.2と市場予想(48.0)以上に前月(47.7)から改善。一方でサービス業は51.2と予想(52.9)に反して前月(52.8)から悪化した。
(4):ECB政策金利 予想通りの据え置き
欧州中銀(ECB)は大方の予想通りに政策金利の一つである預金ファシリティ金利を2.00%に据え置いた。金利据え置きは8会合ぶりとなる。声明では「これまでのところ経済は全体として底堅さを示している」としつつ、貿易摩擦などを要因に挙げ「先行きは極めて不透明」との認識を示した。その後の記者会見でラガルドECB総裁は「今は金利を据え置き、リスクが今後数カ月の間にどう展開していくかを見守ることが適切な状況にある」などと語り様子見姿勢を強調した。
(5):米新規失業保険申請件数 4月以来の低水準
米新規失業保険申請件数は21.7万件と市場予想(22.6万件)に反して前週(22.1万件)から減少し、4月以来の低水準となった。失業保険継続受給者数は前週から0.4万人増加して195.5万人だった。
(6):米製造業PMI 好不況の分岐点下回る
米7月PMI・速報値は製造業が49.5と市場予想(52.7)以上に前月(52.9)から悪化し、8カ月ぶりに好不況の分岐点となる50.0を下回った。一方でサービス業は55.2と予想(53.0)以上に前月(52.9)から改善した。その後発表された米6月新築住宅販売件数は年率換算62.7万件と予想(65.0万件)を下回ったものの前月(62.3万件)から増加した。
(7):米大統領「金利を引き下げろ!」
トランプ大統領は米連邦準備制度理事会(FRB)の本部改修工事を視察。パウエルFRB議長と金利水準について話し合ったと述べ「パウエル氏の解任は大きな動きで必要ない」「FRBは正しいことをすると信じている」と語った。その後自身のSNSに「FRB本部改修現場の視察は大いなる栄誉」だとしたうえで、「金利を引き下げろ!」と締めくくった。
24日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:様子見ムード広がる
昨日のドル/円は終値ベースで約0.3%上昇。日米貿易交渉の合意により日銀の追加利上げ期待がやや高まったことで145円台へと下落する場面も見られたが円買いは続かなかった。米新規失業保険申請件数が3カ月ぶりの低水準となったことなどから米長期金利が上昇する中、147.02円前後まで反発した。
米国の貿易交渉に進展が見られ、インフレ懸念が後退していることがドル高圧力を弱めている。一方で、米労働市場の底堅さが米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ期待を後退させており、ドルを支える一因となっている。来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)や米7月雇用統計といった重要イベントを控えていることから、市場には様子見ムードが広がりやすいだろう。ドル/円は148円に接近すると売られやすく、146円台半ばから下では買い支えられそうだ。
注目の経済指標:米耐久財受注
注目のイベント:
特になし
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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