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為替相場まとめ10月30日から11月3日の週

為替 

 30日からの週は、ドル相場が上下動。日米英の各中銀の金融政策会合をにらんでドル相場が振り回される展開になっている。ドル円は週明けに149円割れとなったあと151円台後半まで買われて、年初来高値を更新した。その後は売り戻されて150円台で推移している。日銀はYCCの柔軟化を発表、1%をある程度上回る水準を容認した。ただ、市場には事前にYCC撤廃やマイナス金利解除といったより強い措置を期待するムードもあったことから円売りが強まった経緯がある。米FOMCは大方の予想通り政策金利の据え置きを発表した。パウエルFRB議長は慎重な姿勢を示しつつも、利上げのオプションを残した。利下げについては考えていないと表明。タカ派的な据え置きとなったものの、市場では米債利回りが低下、ドル売り圧力が広がった。米四半期定例入札計画では増額が発表された、市場予想ほどではなかったことで長期債利回りが低下する面もあった。英中銀も政策金利を据え置いた。6対3の票割れとなり、3名は25bp利上げを主張した。ベイリー英中銀総裁は利下げの検討は時期尚早とし、追加利上げが必要となるのかどうか注視するとした。インフレ見通し引き上げ、成長見通し引き下げも発表された。ポンド買い反応がみられたが持続性はみられなかった。週末の米雇用統計は予想を下回る内容となったことでドル売りが強まり、ドル円は一気に149円台前半まで一時下落していた。

(30日)
 東京市場は、小動き。ドル円は午前に149.50付近から149.82近辺まで上昇。月末を前にしたごとうび(五・十日)ということもあり、本邦輸入企業によるドル買い注文が入ったと見られた。午後に入るとドル売りが優勢に。日経平均の下げを受けたリスク警戒の円買いなどが重石となり149.53近辺に押し戻された。ユーロ円は158.24近辺まで上昇した後、対ドルでのユーロ売りやドル円の上昇一服を受けて157.91近辺まで下落。ユーロドルは1.0578近辺まで買われたあと、1.0555近辺まで反落。値幅は狭い。午前9時半発表の小売売上高が予想を上回る強い伸びとなった豪ドルは、朝の0.6332から昼過ぎに0.6360近辺まで上昇した。その後は少し調整が入り0.6350前後での推移となっている。

 ロンドン市場では、ドル円、クロス円が上昇。ドル円は米債利回り低下とともに149.29近辺まで一時下落。しかし、米債利回りが上昇に転じると149.70近辺まで反発した。ユーロ円は157.70付近へ下げたあと、一転して158.60台まで上昇。ポンド円も181円台割れへと下落後、181.80近辺まで買われた。米10年債利回りは序盤に4.87%から4.83%台まで低下、その後は4.89%付近へと上昇した。ユーロドルは1.0550割れから1.06手前へと上昇、ポンドドルは1.21台割れから1.2150付近で振幅。それほど目立った英指標の発表はなかったが、今週木曜日に英中銀金融政策会合を控える中で、やや動きが不安定だった。材料難のなかで、ポジション調整主導の展開だった。

 NY市場では、ドル円が下落。日銀が明日開催の決定会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)の再修正を議論すると伝わった。現在1%としている長期金利の事実上の上限を柔軟にし、一定程度1%を超える金利上昇を容認する案が有力だという。米金利上昇を背景に日本の長期金利は1%に迫っている。日銀が金利を抑えつけることで、市場機能のゆがみが膨らむ事態を避ける狙いがある。また、連続指し値オペの運用などを改めることを検討するという。この報道を受けてドル円は急速に売られ、一時148円台に下落した。ユーロドルは買い戻しが膨らみ、1.06台を回復。ポンドドルは1.21台半ばまで買い戻された。10月独消費者物価速報値は前年比+3.0%と2021年6月以来の低い伸びとなった。予想も下回った。今週の英中銀金融政策委員会(MPC)では政策金利据え置きがほぼ確実視されている。いずれもユーロ売りやポンド売り材料ではあるが、今日の市場は調整の動きが入っていた。

(31日)
 東京市場では、日銀決定会合後に円売りが強まった。ドル円は前日海外市場の流れを受けて149.03近辺まで下落したが、午前中には149.50台まで上昇。日銀金融政策決定会合の発表が12時半近くとやや遅かったことで、警戒感から円買いが入り149.30台に弱含んで発表を迎えた。日銀金融政策決定会合はこれまで指値オペによる上限とされていた長期金利利回り1%について、1%を「めど」とすると変更。指値オペの設定については市場動向などを見て決定と、ある程度1%を超える状況を容認する形でYCCの再柔軟化を決定した。市場はマイナス金利解除などといったかなりしっかりした変更を期待していたと見られ、発表後は円売りが強まる展開となった。0.93%近くで推移していた日本国債10年物利回りが0.902%に低下したことも円売りにつながった。ドル円は一気に150円台に乗せた。その後、円債利回りは上昇したが、米債利回りも上昇、ドル円は底堅く推移した。ユーロ円も158円台前半から159円付近に上昇。ユーロドルは1.0620付近から1.0590付近へと小安い。

 ロンドン市場は、円売りが強まっている。この日の日銀決定会合ではYCCの柔軟化が発表されたが、前日の日経報道で織り込み済みだった。むしろ、市場の一部にはマイナス金利解除やYCC撤廃といった声もでていたことで、一気に円売りが広がった。ロンドン朝方には植田日銀総裁会見が行われ、従来からの緩和継続姿勢が堅持されていることを印象付けた。また、財務省が外国為替平衡操作の実施状況 (9月28日-10月27日)をゼロと公表。10月3日のドル円急落が介入ではないことが判明した。これを受けて150円台に乗せていたドル円は一時150.76近辺まで一段と買われている。その後も高止まり。ロンドン時間に入るとクロス円も一段と上昇。ユーロ円は160円台後半へ、ポンド円は183円台後半へと上伸している。米債利回りが低下したことで、ユーロドルが1.06付近から1.06台後半へ、ポンドドルが1.21台半ばから1.22ちょうど付近へと上昇したことも、クロス円上伸に寄与した。欧州株は米株先物・時間外取引は堅調に推移。円売り一色の展開となっている。

 NY市場では、ドル円が151円台へと一段高。きょうの為替市場は日銀決定会合を経て急速に円安が進み、ドル円は一気に151円台を固める展開となった。NY時間に入ってドル買いが優勢となっていることもドル円の上げを後押ししている。NY中盤には151.70付近まで上伸。ただ、介入警戒感もあって、一時151円手前まで反落する場面があるなど神経質な動きだった。その後は151.50付近に高止まりして取引を終えた。ユーロ円は一時160.80付近、ポンド円は183.80付近まで上伸した。ユーロドルは1.06台後半から1.05台半ばへと反落。ポンドドルは1.22付近から1.21台前半へと反落。ドル相場全般に上下動していた。あすの米FOMC発表を控えて、一方向には動きにくい面がみられた。

(1日)
東京市場は、ドル円の上昇が一服。151.60台と前日の高値近くで朝を迎えると、東京勢は介入警戒感もあって円買いとなった。神田財務官が「短い間に数円動いている。一方的で急激な動きを懸念していて、過度な変動にはあらゆる手段を排除せず適切な行動をとる。」と発言、為替介入について「スタンバイだ。マーケットの状況を緊張感を持って見ているなかで判断する。」と記者の質問に答える形で発言したことも円買いとなり151.10台まで一時下落。日銀は午後に入って臨時の買いオペを通知。3年超5年以下1000億円、5年超10年以下3000億円の買いオペだった。ドル円はやや買われたが、151円台前半での推移が続いた。ユーロ円は160円台割れから159.80付近まで軟化。ユーロドルは1.0580付近から1.0560台へと小安く推移。

 ロンドン市場は、調整的な動き。米FOMCの結果発表、パウエルFRB議長会見、その前には米ADP雇用統計やJOLTS求人件数、ISM製造業景気指数などの発表を控えており、ややドル買いが優勢になっている。ユーロドルは1.0580付近を高値に1.0540付近へと軟化。ポンドドルはロンドン朝方に発表された英住宅価格が予想外の伸びを示したことで1.2160付近へ買われたあとは、ドル買いに押されて1.2130付近に下げている。ドル円は151.20付近に膠着している。東京時間に神田財務官が為替介入について「スタンバイ」できていると発言しており、ドル円の上値を抑えた。クロス円も上値が重い。ユーロ円は160円付近が重くなると159.50割れ水準へと軟化している。ポンド円はいったん184円付近まで買われが、その後は183.50割れ水準へと下押しされている。米債利回りは小幅低下。原油先物は下げ渋り。米株先物は調整売りに押されている。

 NY市場では、ドル円が下落。米国債利回りが急低下しており、ドル円の戻り売りを誘っていた。米財務省がこの日発表した来週の四半期定例入札の規模が予想ほど拡大していなかったことや、ISM製造業景気指数が予想を下回ったことが利回りの下げを加速させた。ドル円は150円台に下落した。午後にFOMCの結果が発表され、政策金利は予想通りに据え置かれた。声明は若干の変更があったものの概ね前回と変わらない。注目のパウエル議長の会見だが、「これまでの進展を考慮し、FOMCは慎重に進めるべき」と慎重姿勢を示す一方で、「潜在成長を上回るGDPで利上げが正当化される可能性。利上げ停止後の再利上げは困難との考えを否定」とも言及し、追加利上げの可能性は温存している。なお、利下げについては考えも話もしていないと述べていた。予想通りに「タカ派な据え置き」といった雰囲気だが、短期金融市場での追加利上げの期待は若干後退している。ドル円は150.65近辺へと軟化した。ユーロドルは一時1.05台前半まで下落し、1.05ドル割れをうかがう展開も見られていたものの、FOMCを受けて下げ渋っている。ポンドドルは1.21台で上下動。

(2日)
 東京市場では、ドル売り先行後に動き一服となった。前日海外市場でのドル売りを受けて、午前の取引でドル円は151円ちょうど付近から150.15近辺まで大きく下落。米10年債利回りが一時4.70%台まで低下したこともドル売りを誘った。午後は米10年債利回りの低下が一服したことから下げ渋り、150.40台まで買い戻された。東京終盤は150.40付近に値動きが落ち着いた。ユーロ円は、ドル円同様に午前に159円ちょうど付近まで下げたあと、159.40台まで戻している。ドル円以外のドルストレートはドル全面安。ユーロドルは1.0580付近から一時1.0602付近まで上昇したあとは、1.0600前後で小動き。ポンドドルは1.2170前後から1.2196付近まで上昇したあとは伸び悩んだ。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。前日の米FOMC後のドル売りの流れが再開している。米債利回り動向に敏感に反応しており、ロンドン早朝には米10年債利回りが4.71%前後から4.74%台に上昇する動きにドルが買い戻される場面があった。しかし、ロンドン時間に入ると再び米債利回りが4.70%付近へと低下している。ドル円は一時150.58近辺に反発も、その後は150円台前半へと押し戻されている。ユーロドルは1.06台割れとなる場面があったが、すぐに1.06台を回復。高値を1.0640付近へと伸ばしてきている。ポンドドルは1.22付近が重く、ロンドン朝方には1.2150付近へと軟化。英金融政策委員会(MPC)を控えて英債利回りが低下したことが売り圧力となる面もあった。対ユーロでもポンドは軟調に推移している。しかし、対ドルでは1.22手前水準へと再び買い戻されており、ドル売り圧力が根強い。前日米FOMC後の株高の流れが続いており、きょうも欧州株、米株先物がともに堅調に推移している。英MPCでは政策金利据え置きが発表され、票割れは6対3だった。インフレ見通しを引き上げ、成長見通しを引き下げた。ポンド買い反応がみられたが、一時的な動きにとどまった。

 NY市場では、ドル相場が下に往って来い。ドル円は売りが先行し、一時150円台割れとなった。本日も前日からの流れを引き継ぎ、米国債利回りが低下。前日に米財務省が発表した来週の四半期定例入札の規模が予想を下回ったことや、FOMCは大方の予想通りではあったものの、米国債利回りが低下の反応を見せ、ドル売りを誘発している。ただ、ドル円の上値期待は根強く、150円割れでは押し目買いも活発に出るようだ。150円台半ばへ再び上昇して、値動きが落ち着いた。FRBの利上げサイクル終了への期待は高まっているものの、ドル円が本格的に下げトレンドに転じるにはFRBの利下げ期待が台頭する必要があるとの指摘も。ユーロドルはいったん1.0665付近まで上昇していたものの、1.06台前半に伸び悩んだ。ポンドドルは1.22を挟んだ上下動。本日は英中銀金融政策委員会(MPC)の結果が発表され、予想通りに金利を据え置いてきた。英中銀は成長見通しも下方修正しており、なお追加利上げの可能性は保持しているものの、市場では英中銀の利上げサイクルは終了との見方が強まっている。むしろ、英中銀は市場が利下げ期待を抱くことを強くけん制しているようで、ベイリー総裁は会見で「利下げについて考えるのはあまりに時期尚早」と語っていた。
 
(3日)
 東京市場は文化の日の祝日で休場。

  ロンドン市場は、米雇用統計待ちのなかで、ややドル売りの動き。米債利回り動向をにらんだ値動きに終始している。ロンドン朝方に米10年債利回りが4.67%台に上昇すると、ドル円は150.40近辺に買われた。その後、米債利回りが4.64%台に低下したことで150.10台へと安値を小幅に広げている。ユーロドルは1.0620付近に下げたあと、上昇に転じて高値を1.0650近辺に伸ばしている。ポンドドルも1.2185近辺に下押ししたあと1.22台乗せから1.2230近辺に高値を更新。総じてドル売りが優勢となっているが、前日からのレンジ取引にとどまっており、調整の域を出ない動き。欧州株は買いが先行したが、足元では下げに転じる場面もあり方向性に乏しい。ユーロ円は159円台後半から一時160円台乗せも、再び159円台後半に戻している。ポンド円は183円台前半から183.60台まで小幅に上昇。10月英非製造業PMI確報値が速報値から上方改定されたことで、ポンド買い反応がみられた。9月ユーロ圏失業率は6.5%と前回の6.4%からわずかに上昇、ユーロ買いが一服する場面があった。

 NY市場はこの日発表された10月の米雇用統計が予想を下回る内容となったことでドル売りが強まり、ドル円は一気に149円台前半まで一時下落した。21日線も下回った。短期金融市場では12月の追加利上げはないと見ている。90%の確率で据え置きを予想。本日の米雇用統計はその雰囲気を裏付ける結果となったようだ。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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