アジア株は全面安、米引き締め長期化・中国経済停滞を懸念 支援策見送った場合は中国株以外に打撃の可能性
アジア株は全面安、米引き締め長期化・中国経済停滞を懸念 支援策見送った場合は中国株以外に打撃の可能性
東京時間11:06現在
香港ハンセン指数 18301.90(-231.15 -1.25%)
中国上海総合指数 3191.29(-14.28 -0.45%)
台湾加権指数 16618.14(-144.03 -0.86%)
韓国総合株価指数 2519.12(-37.17 -1.45%)
豪ASX200指数 7049.00(-114.45 -1.60%)
アジア株は全面安、米引き締め長期化への懸念が高まっている。きのう発表された米ADP雇用者数が予想の倍以上の増加となったほか、ISM非製造業景気指数も予想を上回る結果となった。予想以上に強い米指標を受け米追加利上げ観測が一段と高まっている。また、半導体を巡る米中報復合戦や中国経済停滞も引き続き懸念されている。
香港株は3営業日続落し、5週間半ぶり安値をつけている。香港は米ドルとのペッグ制を採用しているため金融政策を米国に連動させている。そのため、FRBが利上げを続けるのなら香港も基準金利を引き上げ続けることになる。
JDドットコムやバイドゥ、美団、シャオミ、ネットイース、テンセントホールディングスなどハイテク関連が総じて下落。消費者サービスや素材、エネルギー関連、通信サービス、不動産株も軒並み下落している。
中国の李強首相はパンデミックからの経済回復を強化するために一連の的を絞った政策を「時間を惜しまず」実施すると約束した。ただ、首相は政策の詳細については言及しなかった。ここ数カ月間、中国当局は政策実施の「約束」はするものの、詳細には触れていない。
ゴールドマンサックスが行った調査によると、顧客はもはや中国政府の大規模な景気支援策や経済改革実施に期待しておらず、今月後半に開かれる共産党中央政治局会議では支援策を見送ると予想しているもよう。
JPモルガンアセットマネジメントは今月の会議で大した支援策が打ち出さなければ「中国株以外」のアジア株や欧州株に大きな打撃を与える可能性があるとしている。中国株は既にボロボロなうえ、マーケットがとうに失望、期待するのをやめたため中国株への影響はもはや小さい可能性があるとしている。
上海市場ではゲルマニウム製品の製造販売会社の雲南臨滄新源ゲルマニウム工業が1.2%高と続伸。きのうまで2営業日連続で値幅制限いっぱいの10%高となっていたが、週末を前に利益確定の売りも出ている。
韓国市場でサムスン電子が2.3%安、6週間ぶり安値をつけている。4-6月期の営業利益が前年同期比95.7%減少の6000億ウォン見通しを発表したことが懸念されている。

執筆者 : MINKABU PRESS
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