FX/為替「ドル/円 FOMCを控えドルの上値が重い 今後の利下げペースを巡り個人消費動向に注目」 外為どっとコム トゥデイ 2025年9月16日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年9月16日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼15日(月)の為替相場
(1):中国小売売上高 伸びが鈍化
(2):ECB専務理事「インフレは上方リスクが優勢」
(3):米大統領「想定より大きく利下げすべき」
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値は限定的となりそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
15日(月)の為替相場
期間:15日(月)午前7時00分~16日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国小売売上高 伸びが鈍化
中国8月小売売上高は前年比+3.4%と市場予想(+3.8%)に反して前月(+3.7%)から伸び率が鈍化した。同時に発表された中国8月鉱工業生産は前年比+5.2%と予想(+5.6%)以上に前月(+5.7%)から伸びが鈍化した。これより前に発表された中国8月新築住宅価格は前月比-0.3%となり、27カ月連続で低下した。
(2):ECB専務理事「インフレは上方リスクが優勢」
欧州中銀(ECB)のシュナーベル専務理事は、「金利は適切な水準にある」としつつ、「インフレは上振れリスクが優勢」との見解を示した。
(3):米大統領「想定より大きく利下げすべき」
米9月NY連銀製造業景気指数は-8.7と市場予想(5.0)や前月(11.9)を大きく下回った。 また、トランプ米大統領は自身のSNSへ「遅すぎる(パウエル)は、今すぐに、自身が想定しているよりも大きく利下げすべきだ。住宅市場は急騰する!」と投稿した。
15日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:上値は限定的となりそう
昨日のドル/円は終値ベースで約0.2%下落。本日から開催される米連邦公開市場委員会(FOMC、金利発表は日本時間18日未明)での25bp利下げが織り込まれる中で一時147.23円前後まで弱含むなど、ドルの上値が重かった。なお、トランプ米大統領は自身のSNSで「住宅市場は急騰する!」として、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長に想定よりも大幅な利下げを催促したが、追加のドル売り材料にはならなかった。 米金利先物では今週のFOMCでの25bp(0.25%ポイント)の利下げを完全に織り込んでおり、注目は今後の利下げペースに移っている。
本日は米8月小売売上高が発表される。個人消費は米国の国内総生産(GDP)の約7割を占めるため注目が集まっている。トランプ政権による関税政策のインフレへの影響が依然として不透明ななか、これまで堅調とされてきた個人消費に減速の兆しが見られると年内3回(合計75bp)の利下げを織り込む形でドルが売られることになりそうだ。一方で、堅調な結果となったとしても、広く利下げが予想されるFOMCを控える中で上値は限定的となりそうだ。
注目の経済指標:米小売売上高
注目のイベント:米債入札
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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