FOMCを受けて目まぐるしい展開 次第にドル高が優勢に=NY為替概況
FOMCを受けて目まぐるしい展開 次第にドル高が優勢に=NY為替概況
きょうのNY為替市場、午後のFOMCとを受けて目まぐるしい展開となった。ドル円は一旦145円台半ばに急落したものの、動きが一巡すると次第にドル高が優勢となり、147円台に上昇する展開。
大方の予想通りにFRBは利下げを再開。一方、注目のFOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)では年内あと2回の利下げが予想されていた。10月と12月の年内残りのFOMCで利下げを予想していることを意味する。ただ、短期金融市場の事前の期待通りではあった。
ドット・プロットの公表直後にドル安が強まり、ドル円は145円台半ばに急落。100日線を一旦割り込んだ。事前の予想コンセンサスでは年内あと1回の利下げだっただけにハト派な内容との受け止めだったようだ。
ただ、その後のパウエル議長の会見が始まると、徐々にドル高が優勢となった。一部で指摘されていた「噂で買って事実で売る」の反応が出ていたと思われ、ドル円は146円台後半まで急上昇し、100日線でサポートされた格好となった。明日以降の動きが注目される。
なお、トランプ大統領の指名を受けて前日に就任したミラン理事は大幅利下げを主張。ドットプロットでも今年末に2.875%(2.75-3.00%)を見込んだ委員が1人いたが、恐らくミラン理事の可能性がありそうだ。0.50%と0.75%の利下げの計算。
ユーロドルはFOMC後、一旦1.19ドル台に上昇後、1.18ドル台前半に下落する展開。ユーロ円はロンドン時間の下げを取り戻す展開が見られ、173円台での推移。
ユーロドルに関しては中期的には強気な見方も根強い。FRBは本日から利下げサイクルを再開したが、ECBはすでに利下げサイクルを終了したとも見られている。次のECBの行動は利下げとの見方はまだ根強いものの、しばらくは据え置きが濃厚と見られ、その間、FRBとの金融政策格差は縮小が続きそうだ。いずれ1.20ドルを目指す展開になるのではとの見方も多い。
ポンドドルも1.37ドル台に上昇後、1.36ドル台前半に下落する展開。一方、ポンド円は200円台を回復している。200円台の上値抵抗はあるものの、しっかりと上向きの流れは維持。
明日は英中銀も金融政策委員会(MPC)の結果を発表する。英中銀は利下げに慎重になっており、今回は据え置きが濃厚。そのような中、ポンドの投資家にとっては一時的な注目材料に留まるとの見方も出ている。
ただアナリストは、英中銀の据え置きは英ファンダメンタルズの現状を考慮すると、ポンドにとってそれほどポジティブではないと指摘。英経済の弱さと財政リスクが中期的にポンドを圧迫する可能性があるとも付け加えた。
本日はカナダ中銀が政策を発表。こちらも予想通りに利下げを再開。ただ、カナダドルの反応は小幅に留まった。声明では利下げに関するガイダンスを削除したほか、カーニー首相の米国への報復関税撤廃で消費者物価の上昇リスクが低下したと言及。そのほか、リスク・不確実性に注視し慎重に対応するとしていた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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