FOMC前にドル安が強まる ドル円は100日線に一気に接近=NY為替概況
FOMC前にドル安が強まる ドル円は100日線に一気に接近=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル安が強まりドル円は146.30円付近まで下げ幅を広げる場面も見られた。21日線から下放れる展開を強め、本日の下げで146.15円付近に来ている100日線に一気に接近。これまで100日線と200日線の間でのレンジ相場を約2カ月間続けてきただけに、動向が注目される。
引き続き明日のFOMCの結果待ちの状況。市場はFRBの利下げ再開を確実視しており、一部で観測されている0.50%ポイントの大幅利下げまではないものの、0.25%の利下げは確実視している。
ただ、市場は利下げ再開はすでに織り込んでおり、注目は今回発表されるFOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)に移っている。市場は今回を含めて3回、年内のすべてのFOMCでの利下げを織り込む動きが出ている。あと2回の利下げ予想であれば、ドル高の反応との見方も出ている。市場の期待通りであったとしても、「噂で売って、事実で買う」展開を予想する向きもおり、いずれにしろ反応は一旦ドル高だという。
ユーロドルは1.18ドル台後半まで上げ幅を拡大し、2021年9月以来の高値に上昇。ユーロ円も173円台後半に上昇した。年初来高値水準で強い上値抵抗も観測されている174円台を試しに行くか注目される。
FRBは今週を含めて年内あと3回の0.25%ポイントの米利下げが見込まれる一方、ECBは当面追加利下げは行わないとの見方が広がっており、米欧の政策金利差の縮小見通しがユーロドルを支援している。
強い上値抵抗も意識されていた1.18ドルの水準を突破してきたことで、水準を維持できるようであれば、1.20ドルを視野に入れた展開も予想されそうだ。
ポンドは対ドルでは買いが強まったものの、対ユーロ、円では売り優勢の展開。そのような中、ポンド円は200円を割り込む動きが出ている。ただ一部からは、市場はポンドの底堅さを過小評価しているとの声も出ている。
英国債のボラティリティが上昇しているが、11月のリーブス財務相からの秋季予算案の提出を前に英財政への懸念が強まっている。しかし、英国の財政課題は当初の懸念ほど深刻ではなく、予算案が低い期待値を上回りさえすれば、ポンドには追い風となる可能性があるという。
また、英中銀の追加利下げ観測も後退。最新の英雇用統計は、英中銀がすでに利下げを終了したとの見方を強めており、短期金融市場では、追加緩和観測が消失。こうした動きは弱気シナリオで語られるほど英国の見通しは暗くないことを示していると指摘している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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